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台湾でトランシーバー(無線機)は使える?持ち込みの可否とCB無線の現地事情を無線技術士が解説【体験談】

台湾でトランシーバー(無線機)は使える?持ち込みの可否とCB無線の現地事情を無線技術士が解説【体験談】

「台湾旅行に、日本で使っているトランシーバー(無線機)を持って行ったら使えるの?」

——結論から言うと、日本の無線機は、台湾ではそのままでは使えません

逆に、台湾の無線機を日本で使うのも電波法違反になります。

とはいえ「使えない」の一言で終わらせるのはもったいない。

この記事では、第一級陸上無線技術士の私(きのぴぃ)が、実際に台湾でCB無線(市民ラジオ)の運用を試みた体験を交えながら、台湾の無線事情と「持ち込みの可否」をまるごと解説します。

台湾のCBは意外とアクティブで、条件がそろえば日本とも交信できる——そんな奥深い世界をのぞいてみましょう。

「持って行く」と「電波を出す」は別の話なんだ。まずはそこを整理してから、台湾のリアルなCB事情を見ていこうね。

記事を書いた人

【きのぴぃ】

  • CB免許廃止前にサイタマAD720/AE215のコールサインを取得。〇〇年にわたり細々と無線活動中。
  • 電気工事士・第一級陸上無線技術士などの資格を持ち、電気・無線が得意です。
  • 電波新聞社 月刊「ラジオの製作」元ライター フリーライセンス無線を主軸にガジェット記事を執筆
  • 電波新聞社 アマチュア無線受験マニュアル企画記事担当
  • マガジンランド 月刊「Let’s HAMing」元ライター

目次

台湾に日本のトランシーバー(無線機)は持ち込める?使える?

台湾に日本のトランシーバー(無線機)は持ち込める?使える?

まず大前提を整理します。

無線機の「電波を出してよい規格」は国ごとに違うため、ある国で認められた無線機を、そのまま別の国で運用することは基本的にできません。

日本の無線機を台湾で使う

日本の技適マーク付き無線機(特小・デジ簡・アマチュア機など)は、日本国内での使用を前提に認証されたものです。

台湾には台湾の制度(周波数の割り当てや機器の基準)があり、日本の技適はそのまま通用しません。

持ち込み(所持・機内持ち込み)自体は各航空会社・各国のルールに従えば可能なことが多いですが、現地で電波を出す(運用する)のは現地の制度に従う必要がある

——ここを混同しないことが大切です。

台湾の無線機を日本で使う

逆に、台湾やアメリカ規格(FCC)の無線機を日本国内で使うと、技適を受けていないため電波法違反になります。

総務省も外国規格の無線機は国内では使えないと明示しており、違反すると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。

「海外のお土産に無線機を買って日本で使う」はNGと覚えておきましょう。

では台湾で無線を楽しむには?

答えはシンプルで、その国の制度に合った形で運用することです。

台湾のCBはFCC規格の40チャンネル(26.965〜27.405MHz)で免許不要という、日本とは異なる仕組みなので、現地のルールに沿えば楽しめます。

ちなみに、日本国内で免許不要の無線(特小・デジ簡・デジコミ)を楽しみたい方は、フリラ全体をまとめた記事もどうぞ。

ライセンスフリー無線(フリラ)とは?免許も資格もいらない4バンドを比較

ここからは、私が実際に台湾でCB運用を試みた体験を交えて、台湾のリアルなCB事情を紹介していきます。

台湾のCB事情

検索された方が非常に興味を持たれている台湾のCB事情についてまとめましたので、ここでご紹介します。

台湾ではFCC規格の周波数でAM/FMが運用可能!

台湾ではFCC規格の周波数でAM/FMが運用可能!

台湾のCBはどのような仕様となっているのでしょうか。

日本の総務省にあたるのが國家通訊傳播委員會(NCC;National Communications Commission)という組織により決められています。

台湾ではCB(27MHz帯)を民用頻段無線電對講機(Citizens Band Radio Service;CBRS)と呼んでいます。

周波数はいわゆるFCC規格の40chを用い、出力4W AM/5W FMの運用(出力は有効放射出力(ERP)と定められている)が可能となっています。

法的にSSBの運用はできませんが、AMで運用する分には周波数が同じであるアメリカFCC規格のものもOKです。

 ch MHz  ch MHz ch MHz  ch MHz
 1 26.965 11 27.085 21 27.215 31 27.315
 2 26.975 12 27.105 22 27.225 32 27.325
 3 26.985 13 27.115 23 27.235 33 27.335
 4 27.005 14 27.125 24 27.245 34 27.345
 5 27.015 15 27.135 25 27.255 35 27.355
 6 27.025 16 27.155 26 27.265 36 27.365
 7 27.035 1727.165 27 27.275 37 27.375
 8 27.055 18 27.175 28 27.285 38 27.385
 9 27.065 19 27.185 29 27.295 39 27.395
 10 27.075 20 27.205 30 27.305 40 27.405
台湾CB「民用頻段無線電對講機(CBRS)」について
  • 周波数:FCC規格40ch
  • 出力:4W(AM)/5W(FM)※有効放射出力(ERP) 
  • 電波形式:AM/FM
  • 外部アンテナ:使用可能
  • 台湾国内のCBトランシーバー入手性:悪し。一部の有志による自作トランシーバーの販売はあり。
  • 無線免許:不要
  • コールサイン:なし

日本のCBトランシーバーでは運用可能か現地の方に伺ったところ、それはグレーゾーンであることがわかりました。

現地のCBer(CBをやっている人)のサイトで解説されていますので、紹介しますね。

台湾のアマチュア無線運用はかなり敷居が高く、現地の人のコネがなければ実現は難しいようです。

台湾ではCBトランシーバーの入手方法がほとんどない!?

台湾ではCB無線機を製造しているメーカーはなく、しかも台湾国内では販売すらしていない模様。

一部の有志が自作のCBトランシーバーを販売している程度です。

法律こそあっても、ヨーロッパ規格やFCC規格のものを自分たちで入手し、運用しているのが実情です。

台湾のお国柄なのか、日本にあるような技適というものはなく、「ルールは決めておくからあとは自由にやって」という緩い感じが見受けられます。

台湾では無線ショップでもCBトランシーバーの入手はできない

台湾・桃園市にある無線ショップ(上の画像)では、業務無線(FRS)は売っていたものの、CBトランシーバーの取り扱いはありませんでした。

日本人の場合は、現地の人とコネのある人は現地の人に借りるか、日本で調達し現地へ持ち込む方法が考えられます。

持ち込んだトランシーバーを帰国後どうするか?

  • 現地の人にプレゼントする
  • 日本に持ち帰り即廃棄
  • 日本に持ち帰りアマチュア無線用に改造

僕の場合は時間がなかったので、②の方法を取ることにしたんだ。結構高かったのに(ぐすん)

コールサインは自由

台湾の「民用頻段無線電對講機」は免許制ではありませんから、運用するためのコールサインは存在しません。

そのため台湾の人たちは、自分たちでコールサインを決めて運用しています。

所属しているクラブの会員番号(155IR~など)や155TW~(TWは台湾の意)というようなものが多く使われています。

CBを運用するのにコールサインがないのは、今の日本も同じだね

※このほかに生の台湾のCB状況は、下記のサイトの方が現地の方と情報交換された内容を書いているので、そちらも参照してくださいな。

きのぴぃも実際にCB運用してみましたが…

春先に台湾へ訪問(出張)することが決まり、プライベート時間を使ってCBも満喫しようと考えていました。

何人かの日本人が台湾訪問の際にCB運用したというのを聞きつけたからです。

その頃、かなり強力に日本へ台湾からのBC電波が届いていたこともあり…

うまくいけば、日本との交信がワンチャンあるんじゃね!?

そのため、現地へ出向している日本人の方と連絡を取らせてもらいました。

台湾の状況を伺いつつ、来るべき日に備え、滞在先周辺にいる方へ「聞こえていたら…」と布教活動に励みます。

連絡を取らせていただいた方とは、入れ違いに台湾入国となったため、お会いすることが叶いませんでした。

街中でダル絡みされるので注意が必要

街中で無線機を使っていると、警官に声をかけられるのが常とのことです。

いくら合法で運用していても、うまく説明できなければ良からぬトラブルに巻き込まれてしまいそう。

出張先にも迷惑がかかってしまうのが、容易に想像できました。

仕方なく、CBを運用する際はホテルの部屋からやっていました。

絡まれている様子を台湾の人がYouTubeにアップしていましたが、私には到底無理だと悟りました。

プライベートで来ていたのなら、話のタネにでもなりそうなものですが。

中国語の話せない人間が、台湾の街中で無線をやろうと思ってはいけないようです。

全く交信成立せず

Unidenのアメリカ向けトランシーバーを用意

私は桃園市というところに3日ほど滞在していました。

滞在したホテルではノイズが多いためなのか、27.005MHzで運用していた日本の違法CB局くらいしか聞こえてきません。

以下、私が台湾訪問中にXのポストした内容です。

そのあと、帰国直前に桃園空港の展望デッキからコッソリと運用してみました。

桃園空港ではかなりロケーションがバツグン。交信できなかったのが惜しまれる。

空港ではノイズが少なく、かなり良好ではあったものの、時間が悪すぎたのか「なしのつぶて」でした。

コンディションさえよければ…。

傷心のまま日本へ帰国しました…。現地で買ったベビースターラーメンが涙でしょっぱかったなぁ。

なぜCB運用が失敗したか

台湾の方々は街中で運用しており、強力な電波が飛ばしているのにも関わらず、どうして私の場合はうまくいかなかったのでしょうか。

理由
ロケーションがそもそもよくなかった

Xのポストを見る限りは、台湾から運用している局は見晴らしがよい場所から運用しているのがわかります。

それと比べ街中のホテルではノイズが多く、かつビルの谷間であるため、無線の運用に適していないのではないかと考えられます。

理由
時間の問題

台湾に出向されている方に宣伝してもらったのですが、朝を除き不定期だったことに問題がありました。

台湾訪問は仕事の一環であり、時間に余裕がなかったのも悔やまれます。

CBの運用を兼ねて台湾訪問するのであれば、プライベートで行くのをおすすめします。

理由
コンディションが悪かった

一番はこれに尽きるでしょう。空港での運用が失敗したのは、理由2/3のためですね。

運用を成功させるためには?

日本人が台湾での運用を成功させる方法を考えてみました。

メソッド
コンディションがよくなる時期を選ぶ

夏場はスポラディックE層(いわゆる「Eスポ」)という電離層の発生するのが多いため、夏場に訪問するのがよさそうです。

ただし、「Eスポ」は常に発生するわけではないので、運よく訪問時と重なるかは誰にもわかりません。

メソッド
通訳が必要

ロケーションのよい場所で運用するためには、警官のダル絡みを避けるために通訳が必要です。

一番は日本語も話せる方が同行していれば、心強いのではないでしょうか。

メソッド
プライベートで訪問

出張時ではかなり拘束されてしまうため、少ししか時間に余裕がありません。

プライベートで行かれることをおすすめします。

出張のスキマ時間ではなく、プライベートの旅行でじっくり臨むのが、台湾CB運用を成功させる一番の近道です。

旅行の計画はツアーだと段取りが楽ですよ。

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台湾CB’erはアクティブに運用中!

Twitterで台湾CB’er(海外では、よくCB’er(シービーヤー)と言われるね)の運用情報が流れています。

2023年3月に関東で交信に成功したという声も。

更に、2023年4月上旬、関東でも台湾局の電波が強力に入感したという情報があったので、4月16日に受信にチャレンジしてみました。

時折、26.965MHzの海外からの電波が混信してくる有様。5chでは、かなり強力に海外局と思わしき局の電波が聞こえたので、コンディション上昇を期待していたが、全く聞こえず。

久々にCBバンドを聞いてみたが、違法CBが淘汰されたお陰か、ノイズがなければ非常に快適な状況になっているのが分かった。昔は、あちこち混信が凄かったものね。

台湾CB’erも精力的に活動しているようなので、今後が楽しみだ。

台湾CBビーコン登場!

運用者は、Jamas Tsaoさんで、5分おきに7秒送信される台湾CBビーコンが登場。

台湾とのコンディションを確認する際に有用ですね。

台湾だけでなく、グアムも!?

ミヤギFW30局が台湾と交信された一部始終をまとめた動画がアップされていたので見た所、日本人の方も出てきたようで。大変興味深い。

台湾ではFCC仕様らしいので、日本の2ch(26.976MHz)にかなり近い26.975MHzで毎回運用しています。

何とこのお方(ミヤギFW30局)、グアムの局とも交信できたようで、その様子もYouTubeに上がってた。

グアムとの交信はしっかり5ch(27.088MHz)に周波数が調整されているようなので、先方は普通のCBトランシーバーではないのかも知れません。

CBで海外と交信できる機会が増えてきているみたいですね。

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