MENU

短期で株の売買をすると、経費にできる?

目次

10年以上前は経費にできなかった

株の売買をすると、譲渡所得となり、取引に掛かった手数料は計上できるけれど、その他は経費にしにくかった状態でした。
平成15年から措置法第37の10が、

37の10-2 株式等の譲渡(株式等証券投資信託等(租税特別措置法第37条の10第5項に規定する株式等証券投資信託等をいう。以下この項において同じ。)の終了又は株式等証券投資信託等の一部の解約を含む。以下この項において同じ。)による所得が事業所得若しくは雑所得に該当するか又は譲渡所得に該当するかは、当該株式等の譲渡が営利を目的として継続的に行われているかどうかにより判定するのであるが、その者の株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、次に掲げる株式等の譲渡による部分の所得については、譲渡所得として取り扱って差し支えない。

(1) 次に掲げる株式等(以下「上場株式等」という。)で所有期間が1年を超えるものの譲渡による所得

…(略)…

株式等に係る譲渡所得等の金額は、株式等の譲渡に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額の合計額とされている。株式等の譲渡に係る所得区分は、従来から、当該株式等の譲渡が営利を目的として継続的に行われているかどうかにより判定することが原則とされていたが、平成15年からの株式等譲渡益課税の申告分離課税への一本化に際し、課税庁と納税者側の両者からみた簡便な所得区分の基準を明らかにする必要があるとの理由から、実質基準を原則としつつも、次のとおり取り扱って差し支えないこととしている。

1 所有期間1年超の上場株式等及び非上場株式等の譲渡による所得は、譲渡所得とする。

2 信用取引等の方法による上場株式等の譲渡など所有期間1年以下の上場株式等の譲渡による所得は、事業所得又は雑所得とする。

措置法第37の10《株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》関係|国税庁 (nta.go.jp)

以上のように変更となりました。

短期なら経費にできるかも

法律が変更になったため、短期でトレードした場合は、事業所得、または雑所得となり、ある程度の必要経費が計上できるようになったのです。

個人でトレードをしている人は、雑所得に当てはまり、恩恵を受けられるように。但し、1年以上保有した場合は、今まで通り譲渡所得となり、売買に掛かった手数料以外必要経費は認められません。

法律が言うには、「短期であれば営利目的でしょ。だから、事業所得や雑所得なの」ということのようです。でも、長期保有でも高値で売ったら営利目的だと思うのは私だけ??

ちなみに、確定申告で提出する申告内容確認票(分離課税用)の所得金額の欄は、株式であっても、「●●株式の譲渡」ではなく、74番の「先物取引」欄に記載されます。「先物取引に係る雑所得等」という先物取引やFXと同じカテゴリーに入るようで、何かちょっと不思議な気分(2023年度から、信用取引の書き方がまた変わっています)。

ググれば、これは経費にできるとか色々な書き込みが出てくるので、参考にしてください。
こちらのサイトにも詳しく書かれていますが、インターネットやスマートフォン等の回線利用料、パソコン等の購入費用などで株式の売買のために必要な支出であると認められればよいようです。

高価な物は固定資産

しかし、だからといって、10万円を越えるパソコンを購入すると、計算が面倒です。減価償却というのを行う必要があるからです。
パソコンの場合、耐用年数が4年と定められています。
20万円のパソコンを買っても、その年に必要経費として20万円まるまる計上できる訳ではありません。

簡単に言うと、

20万円のパソコンを1月早々に購入すれば、20万円/4年=年5万円として、所得税は減価償却費として費用計上ができることになります(購入した月によって、算出方法及び償却期間が異なりますので。くれぐれもご注意ください)。

確定申告は、所得税だけでなく、住民税などの他、更に、固定資産税の問題も絡んでくるので、更に厄介です。

固定資産には罠がある

経費でパソコンを買えると聞くと、「20万円のパソコンが必要経費として落ちるなんて、ラッキーだね(*^o^*)」などと浮かれる人も出てくるとは思います。
残念ながら、固定資産には罠があります。
悲しいかな、固定資産なので、償却資産として、何がしか毎年固定資産税が掛かります。個人の場合、毎年来る住宅の固定資産税の通知に「償却資産」としてエントリーされることに。

例の場合、固定資産は、初年度は20万円が課税対象(評価額)となり、翌年は5万円を差し引いた15万円となります。資産は、価値が落ちていくということで、毎年、20万円で課税するのではなく、それに見合った金額で課税されるということなんですね。

「減価償却できればタダみたいな物になるから、自分の物にしてしまおう」と思ったアナタ。それもだめなのです。
減価償却した後は、取得金額の5%を限度とした固定資産税が付いて回るのをご存じでしたか?

20万円で購入した場合は、5年目には20万円の5%である1万円を限度とした評価額に応じた固定資産税が毎年掛かるようになるのです。

評価額が1万円だとすると固定資産税は微々たるものでしょう。イメージとしては、自分の物でありながら、レンタル料がかかる感じでしょうか。それでも、無駄なお金を払うことになります。

固定資産が掛からない場合がある

一番良いのは、個人の費用負担で購入するか、10万円未満の物を購入すればよいのですが、他にも固定資産が掛からないよい方法が。

10万円を越えてしまうと、固定資産となるのですが、10万円以上20万円未満の場合、一括償却資産といい、取得金額の1/3を毎年所得税に経費として計上でき(3年で償却)、しかも、償却資産税が掛からないため、固定資産の対象外となるので、お勧めです。

なので、トレード用としてパソコンを購入しても、欲張って20万円を越えるようなパソコンは買わないことです。プライベートでも使っているとなると、その分経費を差し引かなければなりませんしね(ネットの回線料も同様)。

今年度は、書類を集めて頑張って計算したのですが、残念ながら還付されず、僅かながら納税する側に回ってしまいました…。それでいいんです。
パソコンも経費として落とせるよう、もっとトレードに励みたいものです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次