親が年を取ると、色々な出来事があるだろう。痴呆になったりすることもあるだろうし、予告なしに亡くなることだってある。
そんな時に浮上してくるのが、「遺産相続」。
このブログのテーマである株とは関係ないけれど、備忘録として書いておきたい。
相続税の物納や延納は得なのか?
税金が高すぎて払えない場合、
納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納が認められています。
とある。
相続税の延納も可能である。
2 延納の要件
次に掲げる全ての要件を満たす場合に、延納申請をすることができます。
- (1) 相続税額が10万円を超えること。
- (2) 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。
- (3) 延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。
ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。 - (4) 延納申請に係る相続税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。
No.4211 相続税の延納|国税庁 (nta.go.jp)
※延納するためには、担保が必要となり、利子も必要となるので、ご注意を!
延納するためには、担保も必要だし、利子もついて回るので、人によっては、それすら難しいケースもありえる。
それならば、いっそのこと、一部放棄をすればよいのではと考える人もいるかと思うが、そうは問屋が卸さないとはよく言ったものだ。一部放棄することはできず、負債であろうとなかろうと遺産は全て相続人が相続することになっている。
税金が掛かるから、住宅は相続しないとか、負債のみ相続しないというのはないのだ。
住宅のみ相続したい場合であれば、限定承認という方法がある。これは先買権が得られるので、競売に掛けられる前に優先的に買うことができるというもの(購入した費用は、債務の返済に充てられる)。
ただ、そのまま相続をして、登録免許税を払う方が実は安かったというケースもあるので、相続税の物納や延納、限定承認は避けることをお勧めしたい。
生前贈与は注意!
生前贈与は、1人110万円/年、孫に対しては、教育資金の贈与として1,500万円まで非課税だけれど、税務署によっては、単なる資産の移動と判断されてしまうケースもあるようなので、贈与される場合は注意したい(教育資金の場合は、専用口座が必要で、適用されるのが、2023年3月31日までとなっている)。
住宅資金としての贈与もあり、非課税限度額は、取得する住宅や工事の契約締結日などの条件によって異なり、500万円~3,000万円の間とのこと(こちらのサイト参照)。
夫婦だった場合、「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」というものを適用すると、110万円+2000万円まで非課税となる(2023年3月31日まで)。
車を買ってもらったなんていうケースもあるようだけれど、110万円を越えると、物であっても贈与税が掛かってしまう。親名義で買えば、見かけ上贈与税は掛からないけれど、ばれると脱税となるので、こちらもご注意を。
親の面倒を見るためや葬儀を行うのに、口座からお金を下す場合もあるだろうが、下すタイミングによっては、それも贈与云々ということに関わってくる。
お金を多めに下した場合、親が亡くなった時点で余ったものは、それも遺産の一部となる。ちょっぴり余ったからと1円たりともちょろまかすのはダメなのだ。葬儀費用など必要経費を出すのはOK。
亡くなった後にお金を下そうとすると(根堀葉堀、銀行員に聞かれるため)、口座が凍結されてしまう。お金に余裕のない人は、死亡前には必要経費は下したい所。
住宅はそのままの方がいい
住宅を相続するケースがあるが、住宅にするか、更地にするか迷うかも知れない。住宅のまま相続するのが正解。更地にしてしまうと、固定資産税が住宅付きよりもなぜか高くなってしまうからだ。
相続する土地の場所にもよるが、古い住宅であった場合、意外と固定資産税が安かったりするので、まじめに働いている人であれば、自分の住まいと一緒に、空き家の固定資産税を払うことは可能だと思う(一等地だと難しいかも…)。
古い住宅だと、色々とメンテナンスが必要になるけれど、税金が高くなるよりはまだマシ。
貯金を持っていると不便なこと
相続とは関係ないが、親を介護する場合、親が特定の金額以上の貯金を持っていると、自治体の補助が受けられないことがある。これにより、介護する方法も変わってきてしまう。だからといって、貯金をわざと減らすことはできない(補助を受けるために資金移動したら、脱税になってしまう)。
中途半端に貯金を持っていると困ることがあるので、子供に老後の面倒を見てもらわないと思う人以外は、あまり貯金がない方がよかったりすることも。
家族との関係は良好に!
相続する場合、「家族との関係は良好に!」これが一番だ。
- 親の介護・看病が必要な場合は、可能な限り資金を含めて協力する。
- 遺言書がなければ、法に則り均等分けし、納得する。
巷では、遺産相続で揉めることがあるそうだけれど、家族間の関係が良好でないご家庭が殆どだと思う。
思う所があり、老後のことを少し考えている今日この頃。