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デジタル小電力コミュニティ無線(LCR)とは?免許も登録もいらず位置がわかる無線を無線技術士が解説

デジタル小電力コミュニティ無線(LCR)とは?免許も登録もいらず位置がわかる無線を無線技術士が解説

「免許も登録もいらないのに、特小より飛んで、しかも仲間の位置までわかる無線がある」——それがデジタル小電力コミュニティ無線(LCR/デジコミ)です。

フリラ(ライセンスフリー無線)の4バンドの中では最も新しく、登山やアウトドアで静かに人気を集めています。

この記事では、第一級陸上無線技術士の私(きのぴぃ)が、LCRの仕組み・出力・GPS位置共有といった特徴から、現行機種、向いている使い方、特小・デジ簡との違いまでを整理します。

名前が似ている「デジタル簡易無線(デジ簡/DCR)」とはまったくの別物なので、その違いもはっきりさせますね。

フリラ全体の位置づけを先に知りたい方は、4バンドをまとめたハブ記事もどうぞ。

ライセンスフリー無線(フリラ)とは?免許も資格もいらない4バンドを比較

記事を書いた人

【きのぴぃ】

  • CB免許廃止前にサイタマAD720/AE215のコールサインを取得。〇〇年にわたり細々と無線活動中。
  • 電気工事士・第一級陸上無線技術士などの資格を持ち、電気・無線が得意です。
  • 電波新聞社 月刊「ラジオの製作」元ライター フリーライセンス無線を主軸にガジェット記事を執筆
  • 電波新聞社 アマチュア無線受験マニュアル企画記事担当
  • マガジンランド 月刊「Let’s HAMing」元ライター

目次

デジタル小電力コミュニティ無線(LCR)とは?

デジタル小電力コミュニティ無線(LCR)とは?

LCRは、免許・登録・資格・通話料が一切不要で、買ったその日から誰でも使えるデジタル無線です。

出力は500mWで、原則10mWの特小より格段に飛び、見通しの良い場所なら数百メートル〜1km程度が目安になります。

最大の個性はGPSによる位置情報の共有

相手が「どの方向に・どれくらい離れているか」を画面に表示できます。

これは特小にもデジ簡にもない、LCRならではの機能です。

ポイントは「登録すらいらないのに位置がわかる」こと。デジ簡は登録が必要だけど、LCRはそれも不要。手軽さと機能のバランスが独特なバンドなんだ。

LCRの特徴(5つのポイント)

LCRの特徴(5つのポイント)

① 免許・登録・資格・通話料すべて不要

特小と同じく、手続きなしで使い始められます。

デジ簡は「登録」が必要ですが、LCRはそれも不要。

技適マークのある機種を正規に買えば、あとは電源を入れるだけです。

② 出力500mWでほどよく飛ぶ

出力は500mW。

特小の10mWよりずっと飛び、デジ簡の5Wほどではない——ちょうど中間の存在です。

周波数が低いこともあり、手軽さはそのままに、特小では届かなかった距離をカバーできます。

③ 150MHz帯・18チャンネル

142/146MHz帯(いわゆる150MHz帯)を使い、チャンネルは18ch。

UHF帯を使う特小やデジ簡とは周波数帯が異なるため、障害物の回り込み方などの伝わり方にも個性があります。

④ GPSで相手の方向と距離がわかる

LCR最大の武器です。

GPSを内蔵し、通話相手がどの方向にどれくらい離れているかを表示できます。

アイコムのIC-DRC1MKIIなら、PCソフト(RS-DRC1)で地図上に子機の位置を表示することも可能です(設定済みの機器のみ)。

⑤ 携帯圏外でも通話できる

スマホの電波が届かない山間部でも、無線機同士なら直接つながります。

基地局や回線に依存しないので、登山やアウトドアの「圏外の連絡手段」として頼りになります。

LCRのメリットとデメリット

LCRのメリットとデメリット
メリットデメリット
免許も登録も不要ですぐ使える
GPSで方向・距離がわかる
圏外でも通話できる
ランニングコスト(通話料)ゼロ
出力500mWで、デジ簡ほどは飛ばない
使えるのは同じLCR規格の機種同士のみ
対応機種がまだ少ない
本体はやや高め(実売3万円前後〜)

「登録不要の手軽さ」と「位置がわかる楽しさ」を両取りできるのが強み。

一方で、飛距離を最優先するならデジ簡、とにかく安く手軽にならば特小、と使い分けるのが賢い選び方です。

LCRの現行機種

LCRの現行機種

LCRの現行機は多くありません。

中心となるのはアイコムのIC-DRC1MKII、もう一つの選択肢がアルインコのDJ-PV1Dです。

アイコム IC-DRC1MKII|GPS位置表示の本命

アイコムIC-DRC1MKⅡ(公式サイトより引用)

LCRの定番機。500mW・18chで、GPSにより相手の方向と距離を表示できます。

PCソフトRS-DRC1を使えば地図上での位置管理も可能。

前モデルのIC-DRC1から新アンテナでの通信安定性やスピーカー出力(500mW以上)が向上しています。

約110gと軽く、IP54の防塵防水も備えます。

出力500mW
周波数/ch142・146MHz帯 / 18ch
GPS方向・距離表示+PC地図(RS-DRC1)
質量/防水約110g / IP54
免許不要(登録も不要)

Amazonで「IC-DRC1MKII」を探す

アルインコ DJ-PV1D|もう一つの選択肢

アルインコDJ-PV1D(公式サイトより引用)

アルインコのLCR機。

500mW・18chで免許不要、実売は3万円強が目安です。

アイコムのIC-DRC1/IC-DRC1MKIIとも通信できるため、混在させて使うこともできます。

同じグループで機種を揃える必要があるかは、事前に対応を確認しておくと安心です。

Amazonで「DJ-PV1D」を探す

LCRは規格が同じなら他メーカーの機種とも話せるのが良いところ。ただし機種数がまだ少ないから、迷ったらGPS位置管理まで使えるIC-DRC1MKIIが無難だよ。

こんな使い方に向いている

LCRはどのような使い方ができるのでしょうか。

  • 登山・トレッキング:圏外でも連絡でき、はぐれても方向と距離がわかる
  • アウトドア・キャンプ:グループでの連絡に。子どもの位置把握にも
  • スキー・釣り・サイクリング:広い範囲に散らばる遊びで位置共有が活きる
  • イベント・地域活動:登録不要でメンバーにすぐ配れる

「登録の手続きは面倒だけど、特小では距離が足りない。そして仲間の位置も知りたい」——この条件がそろったとき、LCRがいちばんはまります。

特小・デジ簡との使い分け

特小・デジ簡との使い分け
バンド出力手続き向いている人
特小10mW不要とにかく手軽・安く
LCR(デジコミ)500mW不要手軽さ+距離+位置共有
デジ簡5W登録が必要とにかく距離が欲しい

手軽さと距離のバランスならLCR、コスト最優先なら特小、飛距離最優先なら登録してでもデジ簡。

それぞれの詳しい選び方は各記事にまとめています。

LCR(デジコミ)のよくある質問

デジ簡(デジタル簡易無線)と何が違いますか?

別物です。デジ簡(DCR)は5Wで登録が必要、LCR(デジコミ)は500mWで登録不要・GPS位置共有あり。名前が似ていますが、周波数帯も手続きも異なります。飛距離重視ならデジ簡、手軽さ+位置共有ならLCRです。

どれくらいの距離まで届きますか?

見通しの良い場所で数百メートル〜1km程度が目安です。市街地や山影では短くなり、逆に高い場所同士なら伸びます。あくまで500mWの無線であることを踏まえて期待値を持つとよいでしょう。

アンテナは交換できますか?

使えるのは技術基準適合証明で登録された対応アンテナ(140MHz帯対応)に限られます。基本は付属アンテナのまま使うのが安心です。加工や本体の改造は電波法で禁止されています。

位置共有は何もしなくても使えますか?

相手の方向・距離の表示は対応機同士で使えます。PCの地図上に位置を表示する機能(RS-DRC1)は、設定した機器での利用が前提です。まずは同じ機種同士で揃えるのが分かりやすいです。

まとめ|手軽さと「位置がわかる」を両取りできる無線

LCR(デジタル小電力コミュニティ無線)は、免許も登録もいらず、特小より飛んで、GPSで仲間の位置までわかる——フリラの中でも個性的なバンドです。飛距離最優先ではないぶん、登山やアウトドアで「手軽に・圏外でも・位置を共有して」使いたい人にぴったりです。

迷ったら、GPS位置管理まで使えるアイコム IC-DRC1MKIIが本命。

フリラ全体や他バンドとの違いは、あわせて各記事をどうぞ。

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