AVIC-ZH9MDのHDDクローンの作り方と新しいカーナビへの旅立ち

この記事を書いた人(きのぴぃ)
部品メーカー広告宣伝記事・電気系の雑誌や無線雑誌の元ライターをやってました。
以前よりガジェット集めをやっており、本業(電子機器メーカー勤務)の知見を活かしたレビューが得意です。
(詳しくはこちら)

このブログを見ているということは、AVIC-ZH9MDのHDDクローンの作り方を求めて来られたのだと思う。

以前のアーティクルをリライトしてAVIC-ZH9MDのHDDクローンの作り方をまとめておいたので参考にしてほしい。

方法としては、ナビに掛かっているパスワードを解除すれば、PCに繋いでHDDをコピーすることが可能となる。

FUJITOOLを動かす際は、FDDと富士通製のIDE HDD(2.5インチ)が必要だ。古いノートPCが入手できない人は、まず諦めてほしい。

続いて、FUJITOOL及びHDAT2というアプリが必要になる。これが見つからないことにはHDDのクローンを作るのができない。入手できない人は諦めて!

アプリまで用意できたら、次の手順で作業を行い、元々AVIC-ZH9MDに入っていたHDDのパスワードを解除。

そうすると、普通のHDDとなるので、HDDのクローンアプリを使って、別のHDDにコピー。

そのまま、AVIC-ZH9MDにクローンしたHDDを差し込めば通常通り使えるようになる。

目次

HDDのパスワード解除方法

STEP
富士通HDDをナビに挿入

パイオニアナビはHDDにATAパスワードを書き込む習性があるらしく、また富士通の古いHDD(IDE)はATAパスワードを見やすくしてしまうというバグがあるそうで、それを利用するのが「富士通法」と呼ばれる方法。
現在のSATA HDDでは使えないようなので、ご注意を。
FAT32フォーマットされた富士通製HDDを、ナビに挿入する。場合によっては勝手に更新作業を開始されてしまうかも知れないがそうなった場合は、終わるまでそのままに。
HDDが動いていないことを確認した上で、HDDを抜き取る。

STEP
ATAパスワード解析

FUJTOOL v0.4を入手する。今回の「富士通法」では最も必要な物で、おいらも入手にはかなり手間取った。

コイツは富士通HDD専用のATAパスワード解析ツールである。裏技を使えば、コイツでパスワードを解除することも可能であるが、ナビに使われているのは、東芝のHDDであるので、FUJTOOLでパスワードを解除することができない。

今回の場合は、あくまでHDDに書き込まれたATAパスワードの抽出だ。
富士通HDDをPCのマザーボードに接続するのだけれど、HDDがIDEであるため、古いマザーボードが搭載されているPCが必要だ。USBでIDE HDDが接続できるツールもあるが、それでは全く認識できなかった。

次にFUJTOOLを起動し、富士通HDDを接続した端子を選択する(これは、必ずMS-DOSで起動すること)。「r」→「12」と入力すると、12.MというファイルでATAパスワードを書き込んでくれる。
「type 12.M」と入力すると、「SM ??????????????…」という表示をする。「??????????????…」の部分にある32ケタの文字がATAパスワードになる。

STEP
HDAT2でATAパスワード解除

ナビのHDDを接続し、MS-DOSにて起動。HDAT2というソフトを起動。HDAT2の入手サイトでは、起動ディスクが作成できるようなイメージ(ISO形式)も配布している。おいらはそれを使って、CD-Rに焼いた。
ちゃんと接続できていれば、ナビのHDDは認識できているはず。

カーソルをナビのHDDに合わせ、エンターキーを押す。
すると、メニューが表示されるので、security menuを選択する。
「UNLOCK DEVICE」を選択し、「I」キーを押し、パスワード種別をUSERからMASTERに変更する。これを行わないと、正しいATAパスワードを入れてもエラーとなるのだ。

次に「P」キーを押し、ATAパスワードを間違わないように入力。エンターキーを押し、「S」キーを押すと英語で「本当にいいの?」というメッセージが出てくるので、迷わず「Y」と押すと、6つ項目があったものが2つだけになる。
これでATAパスワードが解除できた!

ところで、巷の情報によれば、AVIC-ZH9MDのHDDはパーティションで区切られて3つのパーティションがあるはずなのだが、2011年版にバージョンアップしたHDDにはどうもパーティションが1つしかなくなっているので、ビックリしないように。

※HDDのデータはフリーウェアではなく、メーカーであるパイオニアの著作権があるので、これを営業目的でコピーして販売するのは違法である。おばかな人間がナビの中身をコピーして販売し、摘発された事例が発生した。
このようなことをせず、あくまで個人でナビの改良を楽しみたいものだ。

今時のナビは高機能で安い

2010年前後ならナビは高価であったものの、10年以上経った今では10万円前後でそれなりの性能を持ったナビが登場しているので、いくらサイバーナビと言えどもAVIC-ZH9MDを延命するのは得策とは言えない。

高性能に特化したサイバーナビではなく、同じパイオニアの楽ナビではあるが、AVIC-RZ520はコスパがいいので紹介したい。

楽ナビAVIC-RZ520の仕様

オーディオ部
最大出力50W×4
13バンドグラフィックイコライザー<周波数>50 Hz、80Hz、125 Hz、200Hz、315 Hz、500Hz、800 Hz、1.25kHz、2 kHz、3.15kHz、5 kHz、8kHz、12.5 kHz
<調整幅>±12 dB (2 dB/step)
USB部
USB規格USB2.0 High Speed
USBクラスマスストレージクラス
最大供給電流2.1 A(type-A)
ファイルシステムFAT16、FAT32、NTFS、exFAT
デコーディングフォーマット[AVI]:(VIDEO)MPEG-4/H.263/H.264,(AUDIO)MP3/LPCM
[MPEG-PS]:(VIDEO)MPEG-2,(AUDIO)MP3/LPCM
[MP4]:(VIDEO) MPEG-4/H.263/H.264,(AUDIO)MP3/AAC/LPCM
[3GP]:(VIDEO)H.263,(AUDIO)AAC
[MKV]:(VIDEO)MPEG-4/VC-1/H.264,(AUDIO)MP3/AAC/vorbis/LPCM
[MOV]:(VIDEO) MPEG-4/H.263/H.264,(AUDIO)MP3/AAC/LPCM
[ASF]:(VIDEO)VC-1,(AUDIO)MP3/WMA/LPCM
[FLV]:(VIDEO)H.264,(AUDIO)MP3/AAC
[M4V]:(VIDEO)MPEG-4/H.263/H.264,(AUDIO)MP3/AAC/LPCM
[MPEG-T5]:(VIDEO)MPEG-2/MPEG-4/H.264,(AUDIO)MP3/AAC
Bluetooth部
BluetoothバージョンBluetooth 5.2 +EDR
出力最大 +5dBm(パワークラス2)
Wi-Fi部
対応規格IEEE 802.11 b/g/n(2.4 GHzのみ)
対応チャンネル1-11ch
セキュリティ方式WPA/WPA2/WPA3
出力最大+16.5 dBm
地上デジタルTVチューナー部
放送方式地上デジタル放送方式(日本)
受信チャンネル470 MHz~710 MHz
モニター部
画面サイズ7V型HD
画素数2 764 800画素[水平1280×垂直720×3(RGB)]
バックライトLED
外形寸法
本体取付寸法178 mm(W)×100 mm(H)×165 mm(D)
地上デジタルTV(12セグ)用フィルムアンテナ152 mm(W)×100 mm(H)×0.05 mm(D)
GPSアンテナ33 mm(W)×36 mm(H)×14 mm(D)
質量
本体1.4 kg

車内Wi-Fiが使えネット接続可能!

オプションのネットワークスティックを付ければ、車内でWi-Fiが使える。

マニュアルでは、iPhone/スマートフォンとなっているが、画面のあるもの(端末でWi-Fiを設定する必要があるので)ならタブレットもOK。

ナビで表示されるQRコードを読み取ると設定が簡単に済むので、QRコードリーダーアプリをインストールしてある端末がベストだ。

楽ナビAVIC-RZ520の主な特長

オンライン機能: NTTドコモとNTTコミュニケーションズが提供する「docomo in Car Connect」に対応。安定したLTE通信を利用し、車内でのWi-Fiスポットとして機能する。また、HDMI接続を通じてオンライン動画を楽しむことができる。

Doメニュー: ドライブ中の操作を直感的に行える新しいユーザーインターフェース。様々な検索やショートカットキーのカスタマイズが可能。

高画質表示: HD解像度に対応し、地図や映像ソースを高画質で表示。HDMI入出力も搭載しており、スマートフォンや他のHDMI機器との接続が可能。

その他の特長: フルフラットデザイン、高音質パーツの採用、交差点案内、ルート探索機能、スマートループ渋滞情報などが含まれる。

楽ナビAVIC-RZ520のメリット・デメリット

【メリット】

Bluetoothを始め、USB、SDカードにも対応。ハイレゾ対応。

オプションのネットワークスティックを付ければ、車内でWi-Fiが使える。

地デジの視聴ができる

HDMIに対応している!?

いざと言う時に役に立たないスマホのナビと違い、車速センサーを使うカーナビの位置情報は安心できる。

地図のバージョンアップは個人でできる(AVIC-ZH9MDはメーカー対応)

オプションのETCユニットに対応。

【デメリット】

CDデッキがないので、CDが聞けない

YouTubeの視聴ができない

オーディオ設定がサイバーナビに比べて簡易。

値段の高いサイバーナビと比較すれば、デメリットは値段とのトレードオフ。しかし、アーティクルの始めに紹介した旧式サイバーナビであるAVIC-ZH9MDと比較をしたら、機能に関しては明らかに雲泥の差と言える。

CDやMDを搭載しているAVIC-ZH9MDではあるが、今はネットで音楽を聴く時代。CDはともかく、Z世代に人に「MDって何?」と言われてしまいそう。そんな古いサイバーナビに拘る理由は、全くないのだ。

2023年発売の楽ナビAVIC-RZ520で快適なカーライフを。

\やっぱりナビは車載用が安心だね!/

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