MENU

電気工事は資格なしでどこまでできる?条文で引いた線引きと、第二種を取って分かったこと

電気工事は資格なしでどこまでできる?条文で引いた線引きと、第二種を取って分かったこと

「コンセントを増やしたいだけなのに、電気工事は資格なしだとどこまでできるんだろう…」

作業自体は簡単そうに見えるのに、調べると「資格が要る」と出てきて手が止まりますよね。

そんな疑問を、実際に第二種電気工事士を取得して自宅の工事をしている私が、条文を引きながら整理します。

この記事では「危険だからやめましょう」で終わらせず、条文のどこに線が引かれているかまで踏み込みます。

ネット上には古い罰則や古い年数のまま残っている解説も少なくないため、現行の条文で書き直しました。

自分のやりたい作業がどちら側なのかを知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

記事を書いた人

【きのぴぃ】

  • CB免許廃止前にサイタマAD720/AE215のコールサインを取得。〇〇年にわたり細々と無線活動中。
  • 電気工事士・第一級陸上無線技術士などの資格を持ち、電気・無線が得意です。
  • 電波新聞社 月刊「ラジオの製作」元ライター フリーライセンス無線を主軸にガジェット記事を執筆
  • 電波新聞社 アマチュア無線受験マニュアル企画記事担当
  • マガジンランド 月刊「Let’s HAMing」元ライター

目次

結論:資格なしでできるのは「軽微な工事」と「軽微な作業」だけ

結論:資格なしでできるのは「軽微な工事」と「軽微な作業」だけ

最初に結論からお伝えします。

資格なしでできる範囲の結論
  • 政令が定める「軽微な工事」6つは、そもそも電気工事に当たらないため無資格でできる
  • 省令が定める「軽微な作業」に当たれば、電気工事であっても無資格でできる
  • 露出型コンセント・露出型点滅器の「取り換え」はできるが、壁に埋まった埋込型はできない
  • 電気工事士が行う作業の「補助」なら、無資格でも従事できる
  • それ以外は3月以下の拘禁刑または3万円以下の罰金の対象になる

ざっくり言えば、壁の中に入っているものに触るなら資格が要ると考えて差し支えありません。

そして線の向こう側をやりたいなら、第二種電気工事士を取るのが唯一の正攻法になります。

私も最初は「差し替えるだけなのに」と思ってた。でも試験を受けたら理由が分かったよ。

そもそも「電気工事」とは何を指すのか

線引きを理解するには、法律が何を「電気工事」と呼んでいるかを押さえる必要があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

法律の正しい名前は「電気工事士法」

この分野を規律しているのは、昭和35年に作られた電気工事士法です。

「電気工事法」という名前で紹介されている解説も見かけますが、その名前の法律は存在しません。

目的は単純で、電気工事の欠陥による災害の発生を防ぐことにあります。

名前が違うと条文にたどり着けないからね。ここは正確に覚えておこう。

一般用電気工作物と自家用電気工作物の違い

電気工事士法は、対象となる設備を大きく2つに分けています。

一般の住宅や小規模な店舗は一般用電気工作物等にあたり、ここが第二種電気工事士の守備範囲です。

一方、高圧で受電する工場やビルなどは自家用電気工作物と呼ばれ、第一種電気工事士の領域になります。

自宅のDIYなら「一般用電気工作物等」だけ考えれば足ります。第3条第2項により、第一種または第二種の免状がなければ、この設備に係る電気工事の作業に従事してはならないと定められています。

定義には「ただし書き」がついている

ここが本記事で最も重要な仕掛けです。

電気工事士法第2条第3項は、電気工事を「一般用電気工作物等または自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事」と定義しています。

そのうえで「ただし、政令で定める軽微な工事を除く」という一文が続きます。

この法律において「電気工事」とは、一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く。

出典:電気工事士法 第2条第3項(e-Gov法令検索)

つまり軽微な工事は、資格が免除されているのではなくそもそも電気工事に数えられていないという構造です。

【早見表】やりたいこと別・資格が要るかどうか

【早見表】やりたいこと別・資格が要るかどうか

法律の話は後回しにして、まず自分のやりたい作業がどちら側かを確認してください。

下の表は、条文で裏付けが取れる項目だけを並べたものです。

やりたいこと資格根拠ひとこと
壁の埋込コンセントを2個口→3個口に交換要る法3条2項/規則2条2項1号イ(1項1号ホ)作業は単純でも資格が必要
照明スイッチをワイド型に交換要る法3条2項/規則2条2項1号イ(1項1号ホ)見た目の交換でも同じ扱い
コンセントを新しく増設する要る規則2条2項1号イ(1項1号ハ・ホ)電線を造営材に取り付ける行為
引掛シーリング本体を天井に取り付ける要る規則2条2項1号イ(1項1号ホ)器具ではなく配線器具側の工事
分電盤やブレーカーに電線を接続する要る規則2条2項1号イ(1項1号ホ・ヌ)危険度が高い部分
エアコンの電源を専用回路で新設する要る規則2条2項1号イ(1項1号ハ・ホ)回路そのものを増やす工事
露出型コンセント・露出型点滅器を取り換える不要規則2条2項1号イ(1項1号ホ括弧書き)「取り換え」に限られる
引掛シーリングに照明器具を取り付ける不要令1条1号(ローゼットへの接続)差し込むだけなら工事ではない
テーブルタップや延長コードを使う・作り替える不要令1条1号壁コンセントより後ろ側
電気機器や蓄電池の端子に電線をねじ止めする不要令1条2号600V以下が条件
ヒューズを取り付ける・取り外す不要令1条3号600V以下が条件
インターホンの二次側の配線をする不要令1条4号二次電圧36V以下に限る
電気工事士が行う作業を補助する不要規則2条2項2号自分で作業すれば違反

表を眺めると、境界線がどこにあるか見えてきます。

ポイントは造営材(壁・天井・柱)に固定されているかどうかです。

壁の中や天井裏に入っている配線に手を出す時点で、資格が必要な領域に入ったと考えてください。

資格なしでできる「軽微な工事」6つを全部翻訳する

資格なしでできる「軽微な工事」6つを全部翻訳する

電気工事士法施行令第1条には、軽微な工事が第1号から第6号までの6つだけ列挙されています。

条文の言葉は硬いので、実際には何のことなのかを添えて整理します。

条文の要約実際には何のことか
1号600V以下の差込み接続器・ソケット・ローゼット・各種スイッチにコードやキャブタイヤケーブルを接続する工事延長コードの差込みプラグ交換、引掛シーリングへの照明取付
2号600V以下の電気機器や蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事機器側の端子台に線をネジで留める作業
3号600V以下の電力量計・電流制限器・ヒューズを取り付け、取り外す工事ヒューズ交換。電力量計は電力会社の資産
4号電鈴・インターホン・火災感知器・豆電球等に使う小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側の配線工事インターホンの呼出線の引き回し
5号電線を支持する柱・腕木その他これらに類する工作物を設置し、変更する工事電線を支える支柱側の工事
6号地中電線用の暗渠または管を設置し、変更する工事電線を通すための管や溝そのものの敷設

それぞれ補足していきます。

1号:接続器や開閉器にコードを接続する工事

6つのうち、DIYで最も出番が多いのが1号です。

条文では差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットなどの接続器が対象に挙げられています。

天井の引掛シーリングに照明器具を取り付ける行為が資格不要なのは、この号があるためです。

対象はあくまで「コードまたはキャブタイヤケーブル」の接続です。壁の中を通っているVVFケーブルを接続する行為は、この号には含まれません。

2号:電気機器や蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事

2号は、機器側の端子に電線をネジで留める作業を指します。

電圧600V以下という条件がつき、配線器具は対象から明確に除かれています。

スイッチやコンセントは配線器具にあたるため、ここを根拠に交換することはできません。

「端子にネジ止めならOKでしょ」と拡大解釈しがちなところ。配線器具は別枠だよ。

3号:電力量計・電流制限器・ヒューズの取り付けと取り外し

3号では、600V以下で使用する電力量計、電流制限器、ヒューズが対象です。

家庭で実際に触る機会があるのは、ほぼヒューズだけでしょう。

電力量計は電力会社の所有物であり、法律上は軽微な工事でも、勝手に触るべきものではありません。

「法律で許されている」と「やっていい」は別問題です。所有者が他者である設備は、法令とは別に契約上の制約がかかります。

4号:小型変圧器の二次側の配線工事

4号は、DIY派にとって意外と使える号です。

ただし条件は厳格で、二次電圧が36V以下のものに限ると明記されています。

インターホンの呼出線を自分で引き直せるのは、この号が根拠です。

一次側、つまり100Vが来ている側はダメ。線を引けるのは二次側だけね。

5号:電線を支持する柱や腕木の設置・変更

5号が対象にしているのは、電線そのものではなく電線を支える構造物です。

柱、腕木、その他これらに類する工作物の設置と変更が含まれます。

柱を立てることと、そこに電線を張ることは別行為だと理解しておいてください。

電線を張る作業は軽微な工事に入りません。支持物の設置までが無資格でできる範囲になります。

6号:地中電線用の暗渠や管の設置・変更

6号も5号と発想は同じで、電線を通すための入れ物側の工事です。

地中電線用の暗渠、つまり溝や、管を設置・変更する工事が該当します。

庭に配管を埋める作業までは無資格でできるものの、そこに電線を通して接続する段階で線を越えます。

5号と6号は「器」の工事。中身の電線に触った瞬間に話が変わるんだ。

6つ以外は原則すべて電気工事になる

ここまで見てきた6つが、政令の定める軽微な工事のすべてです。

リストに載っていない作業は、原則として電気工事に該当すると考えてください。

「これくらいなら軽微だろう」という感覚的な判断は通用しません。

電気工事士法第二条第三項ただし書の政令で定める軽微な工事は、次のとおりとする。

出典:電気工事士法施行令 第1条(e-Gov法令検索)

「軽微な工事」と「軽微な作業」は別物です

「軽微な工事」と「軽微な作業」は別物です

ここが多くの解説で混同されている部分です。

順番に見ていきましょう。

法律は二層構造になっている

無資格でできる範囲は、実は2つの階層に分かれています。

1つ目が施行令の軽微な工事で、これは前章のとおり電気工事に数えられません。

2つ目が施行規則の軽微な作業で、電気工事ではあるものの保安上支障がないとして資格が不要とされたものです。

区分根拠位置づけ代表例
軽微な工事施行令 第1条そもそも電気工事ではない延長コードのプラグ交換、ヒューズ交換
軽微な作業施行規則 第2条電気工事だが資格不要露出型コンセントの取り換え、補助作業

この2つを混ぜて理解していると、できる範囲を取り違えます。

露出型コンセント・露出型点滅器の取り換えは無資格でできる

施行規則第2条には、資格が必要な作業が列挙されています。

そのうち配線器具に関する項目には、見落とされがちな括弧書きがついています。

配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)

出典:電気工事士法施行規則 第2条(e-Gov法令検索)

一般住宅を扱う第2項も、この項目を引く形になっています。

結果として露出型点滅器(電球の交換)と露出型コンセントの取り換えは、無資格でも可能ということになります。

ここを間違えると違反になります
  • 露出型=テーブルタップのような壁や柱の表面に出っ張って付いているタイプ。これは取り換え可(ただしBOXに入っているものは埋込型に含まれます)
  • 埋込型=壁の中に埋め込まれ、プレートで覆われているタイプ。これは資格が必要
  • 対象は「取り換え」のみ。新しく設置する・増やす行為は含まれない

一般家庭で目にするコンセントの大半は埋込型のため、実際にこの規則が使える場面は限られます。

無資格でも「電気工事士の補助」はできる

電気工事会社に未経験で入った方が最初に気にするのが、この点でしょう。

施行規則第2条第2項第2号は「電気工事士が従事する前号イ及びロに掲げる作業を補助する作業」を軽微な作業に含めています。

見習いが現場で資材を運び、有資格者の作業を手伝えるのは、この規定が根拠です。

ただし「補助」を超えて自分で作業すれば違反です。有資格者が現場にいるという事実だけでは、無資格者が電線を接続してよい理由になりません。

私が資格を取って実際にやった工事

ここからは、第二種電気工事士を取得した私自身の話です。

線の向こう側に何があるのかを見てください。

2個口の壁コンセントを3個口に替える

やることはマイナスドライバーをコンセントの穴に差し込み、コードを抜いて別のコンセントに差し替えるだけ。

器用な人なら手順を見れば再現できてしまう、拍子抜けするほど単純な作業です。

それでも住宅の壁コンセントは一般用電気工作物であり、第二種電気工事士以上でなければ工事できません。

「簡単そうに見える」ことが、この分野の一番の落とし穴です。難易度と危険度は比例しません。

照明スイッチをワイド型に替える

古い住宅の細いスイッチを、今主流のワイド型に替える作業も同じ扱いです。

見た目を変えたいだけのリフォームであっても、資格がなければ手を出せません。

実際の作業例は壁コンセントにUSBを設置した記事にまとめています。

業者を呼ぶほどじゃない、でも自分ではできない。この宙ぶらりんが一番もどかしいんだよね。

作業は簡単なのに、なぜ資格が必要なのか

試験勉強を通じて、練習を積まずに作業をするのはやはり非常に危険だと改めて感じました。

素人工事でも手先が器用な人なら問題にならないかもしれません。

しかし、いい加減な工事をすればそこから発火する危険を伴います。

資格は「作業の難しさ」ではなく「失敗したときの被害の大きさ」に対して課されています。接続の甘さは、その場では何も起こらず、数年後に発熱として現れることがあります。

もぐりで電気工事をすることは、私としてはまったくおすすめできません。

電気工事をやるなら、基礎はきちんと勉強してほしいと思っています。

無資格でやった場合の罰則は「懲役」ではなく拘禁刑です

無資格でやった場合の罰則は「懲役」ではなく拘禁刑です

罰則は、多くの解説で古い表記のまま残っている部分です。

現行の条文で確認していきます。

電気工事士法 第14条の条文

無資格で電気工事の作業に従事した場合、第3条違反として第14条が適用されます。

第三条第一項、第二項又は第三項の規定に違反した者は、三月以下の拘禁刑又は三万円以下の罰金に処する。

出典:電気工事士法 第14条(e-Gov法令検索)

金額だけを見れば3万円以下と、決して重い罰金ではありません。

ただし自由刑が併記されている点は、軽く見るべきではないでしょう。

刑法改正で懲役という刑はなくなった

ネット上の解説の多くは、この罰則を「3月以下の懲役」と書いています。

しかし刑法の改正により、懲役と禁錮は拘禁(こうきん)刑へ一本化されました。

実際に電気工事士法の全文を検索しても、現在は懲役という語が一度も出てきません。

「懲役」と書かれた解説は、改正前に書かれたまま更新されていない可能性が高いと考えられます。罰則の記載が古い記事は、他の情報も同じ時期のまま止まっているおそれがあります。

今まで「懲役刑」「禁錮刑」と言っていたものが、2025年6月1日の刑法改正により「拘禁刑」と変更になりました。試験ではまだ「拘禁刑」となっていないことも考えられます。その際は「懲役」と読み替えてください

「バレるかどうか」は考える意味がない

発覚するかどうかを気にする検索は多いものの、この論点の立て方そのものが的を外しています。

電気工事の不備は、施工直後には何の症状も出ないまま通電してしまうためです。

問題が表面化するのは、多くの場合発熱や発火という形で現れたときになります。

3万円の罰金より、火事のほうがずっと高くつく。天秤にかけるまでもないよ。

売却時や事故時に第三者の点検が入れば、施工の質はいずれ問われます。

資格を取るという選択肢:3つの資格の違い

資格を取るという選択肢:3つの資格の違い

線の向こう側をやりたいなら、資格を取るしか道はありません。

資格できること取得に必要なもの更新
第二種電気工事士一般用電気工作物等の電気工事学科試験と技能試験の合格なし
第一種電気工事士自家用電気工作物を含む電気工事試験合格+3年以上の実務経験5年以内ごとの定期講習
認定電気工事従事者簡易電気工事(600V以下)実務3年または認定講習の修了なし

それぞれの中身を見ていきます。

第二種電気工事士 ― 自宅のDIYならこれで足りる

一般住宅を対象とするなら、必要なのは第二種だけです。

コンセントの交換や増設、スイッチの交換、照明器具の設置まで守備範囲に入ります。

しかも第二種には定期講習の義務がなく、一度取得すれば維持コストを気にせず持ち続けられます。

作業に従事するときは免状の携帯義務があります。電気工事士法第5条第2項に定められた義務のため、現場では常に持ち歩いてください。

第一種電気工事士 ― 免状には3年以上の実務経験が必要

第一種は、調べるほどデメリットのほうが目についた資格でした。

試験に合格しても免状の交付には実務経験が求められ、その年数は施行規則で3年以上の従事と定められています。

ネット上には5年と書かれた情報も残っていますが、現行の規定は3年です。

さらに第一種には5年以内ごとの定期講習義務があります。電気工事士法第4条の3により、免状の交付を受けた日から5年以内に受講し、以降も同様の間隔で受け続ける必要があります。

自家用電気工作物の仕事をしないのであれば、この負担を負う意味は薄いでしょう。

認定電気工事従事者 ― 実務3年「または」講習修了

認定電気工事従事者は、第二種と第一種の中間に位置する認定です。

認定を受けると、自家用電気工作物のうち600V以下の簡易電気工事(ネオン)に従事できます。

第二種電気工事士の場合、必要なのは3年以上の実務経験、または認定講習の修了です。

ここ「かつ」じゃなくて「または」なんだ。講習を受ければ実務ゼロでもいける。

実務経験が必須だと誤解して諦めてしまう人が少なくない部分です。

第三種電気主任技術者から認定を受けるルート

電気主任技術者の免状から、第一種電気工事士の認定を受ける道もあります。

施行規則では、免状の交付後に電気工作物の工事・維持・運用の実務へ5年以上従事した者が対象とされています。

試験を受け直さずに済むという点では、たしかに魅力的なルートでしょう。

ただし工事の基礎ができていなければ、資格だけあっても意味は薄いと私は考えています。技能試験を経ていない以上、手を動かす訓練はどこかで別に必要になります。

自宅のDIY目的なら第二種で充分

色々な面を考えると、結論はシンプルです。

自家用電気工作物の仕事をしないのであれば、第二種電気工事士で充分と言えます。

有資格者としての実作業はUSBコンセントを取り付けた記事でも紹介しています。

第二種電気工事士は独学で取れるのか

私自身は独学で受験し、合格しました。

準備するものを含めて説明します。

学科と技能の2段構え

学科でつまずきやすいのは、配線図を複線図へ変換する問題でした。

私が受験したときは、手持ちの過去問集に載っていない問題も出題されています。

それでも自己採点70点で合格できたため、満点を狙う必要はありません。

学科の自己採点が終わってから、約1か月で工具を揃えて技能を特訓したよ。

工具は自分で揃える必要がある

技能試験は、工具を自分で持ち込む形式です。

受験案内では指定工具が案内されており、これが欠けると作業そのものが成立しません。

単品でそろえると買い漏らしが起きやすいため、私はセットを軸にすることをおすすめします。

どの工具が本当に必要かは別記事にまとめています。指定工具に加えて買い足す価値がある物まで、技能試験の工具を解説した記事で詳しく整理しました。

\ 指定工具を1回でそろえる /

練習には器具と電線も要る

技能試験は、手を動かした回数がそのまま結果に出ます。

候補問題を実際に組む練習には、工具とは別に器具が必要になります。

器具セットを使えば、候補問題13問を1回ずつ練習できます。

注意点として、器具セットに電線は含まれていません。電線は別売のセットを追加するか、ホームセンターで調達する必要があります。

\ 13問を1回ずつ練習できる /

資格を取るメリットとデメリット

良い面だけを並べても判断材料になりません。

両面から見ていきましょう。

自宅の不満を自分のタイミングで解消できる

最大の利点は、業者の予定に左右されなくなることです。

コンセントが足りない、スイッチが古いといった不満は、単独で業者を呼ぶには小さすぎます。

資格があれば、思い立った週末に片づけられるようになりました。

「ついでにここも」ができるのが一番うれしいところ。

危険の理由が理解できるようになる

資格勉強の副産物として、何がなぜ危ないのかが分かるようになります。

技能試験では、接続の不備が明確な欠陥として判定されます。

採点基準を通じて、危険を回避する感覚が身につくのです。

手順を知ることと、危険を判断できることは別物です。動画を見て手順だけ真似する状態が最も危ういと、勉強してから分かりました。

初期費用と練習時間はそれなりにかかる

技能試験のために、工具と練習用の器具・電線を自費で揃える必要があります。

私の場合、学科の自己採点後から本番まで約1か月を練習に充てました。

まとまった時間が取れない時期の受験は、あまりおすすめできません。

取っても使わなければ意味がない

資格そのものは、持っているだけでは何も生みません。

第一種の認定ルートについて私が懐疑的なのも、同じ理由からです。

工事の基礎ができていなければ、免状があっても安全な施工にはつながりません。

手を動かす予定があるかどうか。判断の分かれ目はそこだと思う。

資格取得が向いている人・向いていない人

ここまでの内容を、判断しやすい形に整理します。

自分がどちらに当てはまるか確認してみてください。

資格取得が向いている人

持ち家で、直したい箇所が複数ある方には強くおすすめできます。

こんな方は取る価値があります
  • コンセントやスイッチを複数箇所で交換・増設したい
  • 照明器具の交換をきっかけに、配線から見直したい
  • 電気工事会社で働いており、補助を超えた作業に進みたい
  • 手を動かす作業そのものが好きで、練習を苦にしない

工事の数が増えるほど、取得のコストは相対的に小さくなります。

資格取得が向いていない人

一方で、無理に取る必要がない方もいます。

こんな方は業者依頼で足ります
  • 賃貸住まいで、そもそも建物に手を加えられない
  • 直したい箇所が1か所だけで、当面それ以上の予定がない
  • 練習にまとまった時間を割ける見通しが立たない
  • やりたい作業が、そもそも軽微な工事の6つに収まっている

やりたいことが早見表の「不要」側だけなら、資格は要りません。

電気工事と資格に関するよくある質問

検索でよく見かける疑問に、条文をもとに答えます。

電気工事は資格なしで行っても大丈夫ですか?

施行令が定める軽微な工事6つと、施行規則が定める軽微な作業に当たる場合だけ問題ありません。それ以外は電気工事士法第3条に違反します。ご自身の作業がどちらか、早見表で確認してみてください。

電気工事を無資格で行うとバレますか?

発覚するかどうかを基準にすべきではありません。電気工事の不備は施工直後には症状が出ず、発熱や発火という形で表面化することがあるためです。罰金より事故の被害のほうがはるかに大きくなります。

無資格で電気工事を行った場合の罰則は?

電気工事士法第14条により、3月以下の拘禁刑または3万円以下の罰金と定められています。刑法改正で懲役は拘禁刑へ一本化されました。「懲役」と書かれた解説は古い情報の可能性があります。

電気工事業を許可なしで行うことはできますか?

電気工事士の免状と、電気工事業を営むための登録は別の制度です。免状を持っていても、業として請け負う場合は別途手続きが必要になります。開業を考えている方は所管の窓口で確認してください。

無資格でも電気工事会社で働けますか?

働けます。施行規則第2条第2項第2号により、電気工事士が従事する作業を補助する作業は無資格でも可能です。ただし補助を超えて自分で電線を接続すれば違反になります。

コンセントの交換に電気工事士は不要ですか?

露出型コンセントの取り換えなら不要です。一方で壁に埋め込まれた埋込型の交換には資格が必要になります。一般家庭のコンセントは埋込型が大半のため、実際には資格が要る場面がほとんどでしょう。

第二種電気工事士を取れば自宅の工事は全部できますか?

一般住宅は一般用電気工作物等にあたるため、第二種の守備範囲で対応できます。コンセントの交換・増設、スイッチの交換、照明器具の設置まで含まれます。高圧受電の施設を扱う場合のみ上位資格が必要です。

まとめ:線を知って、越えたいなら資格を取る

電気工事における無資格の範囲は、感覚ではなく条文で決まっています。

この記事のまとめ

私自身、2個口のコンセントを3個口に替えたくて資格を取りました。

作業そのものは拍子抜けするほど簡単でしたが、その簡単さこそが危険の入口です。

もぐりで工事をするのではなく、基礎をきちんと勉強してから手を動かすことをおすすめします。

線を知れば、越え方も見えてくる。まずは自分の作業がどっち側かを確かめてみて。

\ 線の向こう側へ進む第一歩 /

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次