
「第二種電気工事士の学科試験(筆記)って、過去問だけで受かるの?それとも、ちゃんとテキストを読み込まないとダメ?」
勉強を始める前に、いちばん気になるところですよね。
時間をかけたくないけど、落ちたくもない。結論から言うと、第二種電気工事士の学科試験は「過去問中心」で十分に合格をねらえます。
実際に受けて合格した私も、勉強の主役は過去問でした。



ただし、「ただ答えを丸暗記するだけ」だと落とし穴にハマります。
この記事では、有資格者の私が「過去問だけ」の正しい線引き――何年分・何周やるか、正しい使い方の3ステップ、そして過去問だけでは足りない部分まで、合格までの地図としてまとめます。




記事を書いた人
【きのぴぃ】
- CB免許廃止前にサイタマAD720/AE215のコールサインを取得。〇〇年にわたり細々と無線活動中。
- 電気工事士・第一級陸上無線技術士などの資格を持ち、電気・無線が得意です。
- 電波新聞社 月刊「ラジオの製作」元ライター フリーライセンス無線を主軸にガジェット記事を執筆
- 電波新聞社 アマチュア無線受験マニュアル企画記事担当
- マガジンランド 月刊「Let’s HAMing」元ライター
結論:学科(筆記)は「過去問中心」で受かる。ただし条件がある


まず結論です。
第二種電気工事士の学科試験は、過去問を軸にした勉強で十分に合格ラインに届きます。
実際に「過去問だけで受かった」という合格体験は、ネット上にもたくさんありますし、私自身も勉強時間の大半を過去問に使いました。



学科試験は四肢択一(マークシート)方式で、全50問中、おおむね6割(30問前後)の正解で合格とされています(正確な合格基準は年度・公式の案内で確認してください)。
満点を取る必要はなく、「6割を確実に超える」ことがゴール。
この“満点じゃなくていい”という性質が、過去問中心の勉強と相性が良い理由です。
なぜ過去問がそんなに効くのか
理由はシンプルで、学科試験は過去問と同種・類似の問題が繰り返し問われる傾向があるからです。
出題される範囲(配線図の記号、器具・材料、法令、計算のパターンなど)はある程度決まっていて、毎年ゼロから新しい問題になるわけではありません。



だから、過去問を回して「よく出るパターン」に体を慣らすほど、本番で見覚えのある問題が増えていきます。
ただし「毎年まったく同じ問題が出る」という意味ではありません。
数字や器具が入れ替わることもあるので、「答えの丸暗記」ではなく「なぜその答えになるか」まで理解しておくのが、確実に6割を超えるコツです。
“過去問だけ”が危険になる人
一方で、「過去問だけ」で失敗する人もいます。
それは選択肢の記号(アやウ)ごと丸暗記してしまう人です。
過去問アプリを何周もして「この問題はウ」と覚えても、本番で選択肢の順番が変わったり、少しひねられたりすると途端に解けなくなります。



過去問は「答えを覚える道具」じゃなくて、「よく出るパターンを体に入れる道具」。ここを勘違いすると、周回した割に伸びないんだ。
過去問は何年分・何周やればいい?


次によくある質問が「何年分・何周やればいいか」です。
これは公式に決まった基準があるわけではありませんが、合格者の体験と私の経験から言える、現実的な目安を紹介します。
まずは直近を中心に、複数年ぶんを回す
目安としては、直近の年度を中心に、数年ぶんの過去問を回せば十分に手応えが出ます。
学科試験は出題傾向が安定しているので、古い年度まで手を広げすぎるより、直近の問題を繰り返し解けるようにするほうが効率的です。
まずは1年分をしっかり解ききって、その手応えで量を調整していくとよいでしょう。
「◯周」より「間違えた問題をゼロにする」
「何周すればいい?」という質問には、私はいつも「周回数より、間違えた問題がゼロになるまで」と答えています。
3周しても同じ問題を間違えるなら意味が薄いし、逆に2周で全部解けるようになったなら、それで十分です。



おすすめは、間違えた問題に印をつけて、次からは間違えた問題だけを解き直すやり方です。
周回するたびに解く問題が減っていくので、後半はどんどんラクになります。
最終的に「印のついた問題がなくなった」状態になれば、本番でも安定して6割を超えられます。



全問を何周もするより、苦手だけを潰していくほうが早いよ。得意な問題を何度も解いても、点は伸びないもんね。
合格者がやった過去問の“正しい使い方”3ステップ


ここからは、私が実際にやって合格した過去問の使い方を3ステップで紹介します。
「解く→丸つけ→次」を繰り返すだけでは伸びません。次の順で回すと、同じ時間でも定着が段違いになります。
1周目は、正解・不正解に一喜一憂しなくて大丈夫です。
大事なのは、間違えた問題も、まぐれで当たった問題も「なぜその答えになるのか」を解説で確認すること。



ここで理解しておくと、2周目以降のスピードが一気に上がります。
分からない用語が出てきたら、後述のテキストで補いましょう。
2周目からは、1周目で間違えた問題(印をつけた問題)だけを解き直します。
全問を毎回解くのは時間の無駄です。



間違いだけに絞れば、苦手を集中的に潰せて、周回のたびに残る問題が減っていきます。
この“絞り込み”が、短期間で合格する人の共通点です。
試験の直前には、1回分をまとめて、時間を計って解いてみるのがおすすめです。
学科試験は50問を解く時間が決まっているので、1問あたりのペース感を体に入れておくと本番で焦りません。
時間内に解ききって6割を安定して超えられれば、準備は完了です。



「なぜ」を確認 → 間違いだけ潰す → 時間を計る。この3ステップを回した人が、本番で落ち着けるんだ。
有資格者が正直に話そう!過去問だけでは“足りない部分


ここが、実際に受けた私がいちばん伝えたいところです。
「過去問中心でOK」とはいえ、過去問を“ただ解くだけ”では穴になりやすい分野が3つあります。
ここを知らずに周回だけしていると、本番で足をすくわれます。
①配線図問題(後半のまとまった配点)
学科試験は、前半の一般問題と、後半の配線図問題に大きく分かれます。
後半の配線図問題は、1枚の配線図を見て複数問に答える形式で、まとまった配点になります。



ここは図記号の意味・器具の使い方・複線図の考え方が分かっていないと、過去問の答えを覚えているだけでは応用が効きません。
図記号は暗記すれば確実に得点源になるので、過去問と並行して覚えるのがおすすめです。
②計算問題(無理なら“捨てる判断”も戦略)
オームの法則や電線の許容電流といった計算問題は、苦手な人が多い分野です。
ここで大事なのは、「全部解けなくてもいい」という割り切りです。
学科は6割で合格なので、計算が本当に苦手なら、確実に取れる暗記系(器具・材料・法令・配線図)で点を固め、計算は「取れるものだけ取る」戦略も成立します。
ただし、よく出る基本パターンだけは過去問で押さえておくと、合格が一気に安定します。
③鑑別(写真で器具・工具・材料を答える)
写真を見て器具・工具・材料の名前や用途を答える、いわゆる「鑑別」問題も出ます。



これは知っていれば即答、知らなければ手も足も出ないタイプなので、過去問+テキストの写真で「名前と用途」をセットで覚えるのが近道です。
技能試験でも同じ器具を扱うので、ここを固めておくと後がラクになります。
まとめると、過去問で「よく出るパターン」を体に入れつつ、配線図・鑑別はテキストで「なぜ・何」を補う。
この組み合わせが、過去問中心の勉強を“合格”まで確実に届かせるコツです。
過去問はどこで手に入る?(公式・無料DB・アプリ)


「過去問だけで受かる」と言われても、その過去問をどこで手に入れるかが分からないと始まりません。
入手先は大きく3つあります。
①公式(電気技術者試験センター)=無料で入手できる
意外と知られていませんが、試験問題と解答は、電気技術者試験センターの公式サイトでPDFとして公表されています。
各回の試験が終わるたびに掲載されるので、直近の本物の過去問を、無料で手に入れられます。
しかも公表問題は、教育目的なら許諾や使用料が不要(出典の明記は必要)とされています。
世の中にある無料の過去問サイトやアプリの中身も、元をたどればこの公表問題です。まずは公式で「本物」を確認しておくと安心です。
②無料の過去問サイト・アプリ=スキマ時間に強い
スマホで解ける無料の過去問サイトやアプリは、通勤中や休憩中のスキマ時間の勉強に向いています。
1問ずつサクサク解けて、解説もその場で読めるので、周回の相性は抜群です。
ただし、解説の丁寧さはサービスによって差があります。



アプリはスキマ時間の周回用、腰を据えて理解する用に紙のテキストや問題集――と役割を分けると、両方の良いとこ取りができます。
③市販の過去問題集・テキスト=解説の厚さで選ぶ
本気で1冊を軸にするなら、市販の過去問題集が結局いちばん効率的です。
解説が丁寧で、配線図や鑑別の写真もまとまっているので、「なぜ」を補いながら周回できます。
教材選びは次の章でくわしく紹介します。



公式で「本物」を確認 → アプリでスキマ周回 → 問題集で理解を補う。無料と市販を組み合わせるのが賢いよ。
なお、学科試験にはCBT方式(パソコンで解答)と筆記方式(マークシート)がありますが、どちらの方式でも問われる内容は同じなので、過去問での勉強がそのまま活きます。
方式ごとの申込方法や日程は、公式の受験案内で確認してください。
使う教材(過去問題集・テキスト)
過去問中心の勉強でそろえたいのは、次の2つです。
- 学科の過去問題集…複数年ぶんの過去問と解説がまとまった1冊。周回の主役にする
- 解説が厚いテキスト…配線図の図記号・鑑別の写真・計算の基本が丁寧に載っているもの。「なぜ」を補う辞書として使う
「過去問題集1冊+テキスト1冊」を用意して、過去問で周回しながら分からないところをテキストで確認する。
これが、いちばん遠回りに見えて実は最短のやり方です。
無料アプリだけで済ませようとすると、配線図や鑑別で「なぜ」がわからず止まりがちなので、軸になる1冊は手元に置いておくことをおすすめします。
\ 迷ったらこのセットから /
学科に合格したら、次は技能試験です。技能でそろえる工具については、第二種電気工事士 技能試験の工具はこれで足りる(落とし穴も解説)にまとめています。


第二種電気工事士の過去問についてよくある質問
過去問は何周くらい解けばいい?
周回数に決まりはありません。目安は「間違えた問題がゼロになるまで」です。全問を何周もするより、間違えた問題に印をつけて、そこだけを潰していくほうが効率的です。人によっては2〜3周で十分に仕上がります。
過去問だけで、テキストは要らない?
過去問を主役にするのは正解ですが、テキストは1冊あったほうが安心です。配線図の図記号や鑑別の写真、計算の基本など、過去問の解説だけでは補いきれない部分を確認する「辞書」として使います。過去問で分からない用語が出たときに調べられるものが手元にあると、つまずきが減ります。
試験問題は持ち帰れる?過去問はどこで見られる?
持ち帰りのルールは方式や年度によって扱いが異なることがあるため、公式の受験案内で確認してください。ただ、過去問そのものは、電気技術者試験センターの公式サイトで試験問題と解答が公表されているので、そちらでいつでも確認できます。持ち帰れるかどうかを気にするより、公式の公表問題を活用するほうが確実です。
学科に落ちても、また受けられる?
科目合格はありませんが、受けられます。第二種電気工事士は年2回(上期・下期)実施されています。1回目がダメでも、間違えた分野を過去問で潰して再挑戦できます。むしろ「1回で完璧」を目指しすぎず、過去問で6割を安定させることに集中しましょう。
まとめ:過去問中心でOK。ただし“足りない部分”はテキストで補う
第二種電気工事士の学科(筆記)は、過去問を軸にした勉強で十分に合格をねらえます。
最後に要点を整理します。
- 学科は四肢択一・おおむね6割で合格。過去問と同種・類似が繰り返し出るので、過去問中心で受かる
- 過去問は「答えの丸暗記」でなく「なぜ」を理解。周回数より間違いをゼロに
- 使い方は①なぜを確認 →②間違いだけ潰す →③時間を計るの3ステップ
- 過去問だけで穴になりやすい配線図・計算・鑑別はテキストで補う
- 過去問は公式(試験センター)で無料公表。アプリ+市販問題集の組み合わせが効率的
「過去問だけ」を正しく使えば、学科は決して難しい試験ではありません。
過去問を主役にしつつ、足りない部分をテキストで補って、まずは学科突破を目指しましょう。







