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第二種電気工事士 複線図の書き方5ステップ|合格者が教えるコツとよくある間違い

第二種電気工事士 複線図の書き方5ステップ|合格者が教えるコツとよくある間違い

「第二種電気工事士の技能試験、単線図は読めるけど、複線図がどうしても書けないわ……」

技能試験でつまずく人の多くが、この複線図で止まります。

でも大丈夫です。複線図は“書き方の順番”さえ覚えれば、誰でも書けるようになります

実際に受験して合格した私も、最初はまったく書けませんでしたが、手順を体に入れてからは、どの候補問題でも迷わず書けるようになりました。

この記事では、有資格者の私が複線図の書き方を5ステップに分けて解説します。

書く前の基本ルール、つまずきやすいポイント、そして「わからない」を抜け出す練習法まで、技能試験の土台を固めていきましょう。

※技能試験の全体像(候補問題13問の攻略)は第二種電気工事士 技能試験の候補問題13問の攻略に、学科も含めた勉強法は第二種電気工事士 独学の勉強法(別記事)にまとめています。この記事は、技能の“複線図”に絞って深掘りする位置づけです。

記事を書いた人

【きのぴぃ】

  • CB免許廃止前にサイタマAD720/AE215のコールサインを取得。〇〇年にわたり細々と無線活動中。
  • 電気工事士・第一級陸上無線技術士などの資格を持ち、電気・無線が得意です。
  • 電波新聞社 月刊「ラジオの製作」元ライター フリーライセンス無線を主軸にガジェット記事を執筆
  • 電波新聞社 アマチュア無線受験マニュアル企画記事担当
  • マガジンランド 月刊「Let’s HAMing」元ライター

目次

複線図とは?なぜ書けないと受からないのか

複線図とは?なぜ書けないと受からないのか

複線図とは、単線図(1本の線で回路を表した図)を、実際に配線する電線の本数・色まで書き起こした図のことです。

技能試験の問題用紙に載っているのは単線図ですが、そのままでは「どの電線を何本、どの器具にどうつなぐか」が分かりません。

そこで、単線図を複線図に“翻訳”してから、実際の配線作業に入ります。

つまり複線図は配線作業の設計図ですから、ここが間違っていると、その通りに作った作品も間違い=欠陥になり、不合格につながります。

複線図が書けないと受からないと言われるのは、このためです。

単線図と複線図の違い

ざっくり言うと、次のような違いです。

  • 単線図…回路のつながりを1本の線でシンプルに表した図(問題用紙に載っている)
  • 複線図…実際の電線の本数・色・接続方法まで書き込んだ図(自分で書き起こす)

単線図では1本に見える線も、実際には行きと帰りで2本、3本と必要になります。

その“実物の配線”を目に見える形にするのが複線図の役割です。

複線図は“採点されない自分用のメモ”

ここは意外と知られていないのですが、複線図そのものは提出せず、採点もされません

技能試験で採点されるのは、あくまで完成した作品(配線)と、その欠陥の有無です。

複線図は、問題用紙の余白などに「自分が正しく配線するために書く設計メモ」という位置づけです。

だから、複線図はきれいに書く必要はありません

大事なのは、自分が見て間違えずに配線できること。

そして、限られた試験時間のなかで速く・正確に書けることです。

「きれいな複線図」ではなく「使える複線図を素早く」――これが合格者の感覚です。

複線図は作品じゃなくて“設計図”。採点はされないけど、ここが狂うと作品ごと欠陥になる。だから土台なんだ。

複線図を書く前に覚える基本ルール

複線図を書く前に覚える基本ルール

5ステップに入る前に、複線図の土台になる基本ルールを押さえます。

ここが分かっていないと手順を覚えても応用できません。逆に、ここさえ理解すれば、あとは順番に線を引くだけです。

電源には「接地側」と「非接地側」がある

単相2線式の電源は、接地側(せっちがわ)と非接地側(ひせっちがわ)の2本で構成されます。

一般的に、電線の色は次のように決まっています。

  • 接地側=白線…電源から、負荷(ランプなど)とコンセントへ直接つなぐ
  • 非接地側=黒線…電源から、スイッチとコンセントへつなぐ

この「白は負荷とコンセントへ、黒はスイッチとコンセントへ」という原則が、複線図の背骨です。

色の割り当てを間違えると極性のミスになり、欠陥に直結します。

まずはこの色分けを、呪文のように覚えてしまいましょう(正確な色の規定は内線規程など公式の基準で確認してください)。

スイッチは「負荷の手前」に入る

もう1つの基本が、スイッチと負荷の関係です。

スイッチは、ランプなどの負荷を「オン・オフするための門番」。

だから、非接地側(黒)→スイッチ→負荷という順で電気が流れるように配線します。

スイッチと負荷はセットで考える、と覚えておくとスムーズです。

コンセントは常に電気が使える状態にしておく必要があるので、スイッチを通さず、白と黒を直接つなぎます

「負荷はスイッチ経由、コンセントは直結」――この違いも押さえておきましょう。

スイッチやコンセントによっては「W」と付いているんだけど、これは基本白線(White)をつなぐので間違いないようにね!

複線図の書き方【5ステップ】

複線図の書き方を5つにまとめた図解

いよいよ本題です。複線図は、次の5ステップの順番で書くと、どの問題でも迷いません。

私はこの順番を体に入れてから、一気に書けるようになりました。

ここでは、一般的な「ランプ+スイッチ+コンセント」の回路をイメージしながら進めます。

STEP
器具を配置する

まず、単線図に出てくる電源・スイッチ・コンセント・負荷(ランプなど)を、単線図と同じ位置に配置します。

この時点では、まだ線はつなぎません。器具の“置き場所”を決めるだけです。

単線図のレイアウトをそのまま写すと、あとで線が引きやすくなります。

STEP
接地側(白)を負荷・コンセントに結ぶ

次に、電源の接地側(白)から、負荷とコンセントへ線を引きます

白線はスイッチを通しません。負荷(ランプ)とコンセントに、まっすぐ白をつないでいきます。

ここは迷いにくいので、最初に片づけてしまうとラクです。

STEP
非接地側(黒)を電源からスイッチ・コンセントに結ぶ

続いて、電源の非接地側(黒)から、スイッチとコンセントへ線を引きます

黒は負荷に直接はつながず、まずスイッチへ。コンセントには黒も直接つなぎます。

この段階で「白=負荷・コンセント」「黒=スイッチ・コンセント」の骨格ができあがります。

STEP
スイッチから負荷への“戻り線”を結ぶ

ここが複線図の山場です。

スイッチから、対応する負荷(ランプ)へ線を引きます

これが「スイッチを入れると、その負荷が点く」という配線になります。

スイッチが複数あるときは、どのスイッチがどの負荷に対応するかを、単線図の記号(イ・ロなど)を頼りに丁寧に結びます。

ここを間違えると、別のランプが点いてしまう欠陥になります。

STEP
電線の色・接続方法を書き込む

最後に、引いた各線に電線の色(白・黒・赤)を書き込み、電線どうしがつながる接続点に「リングスリーブ」か「差込形コネクタ」かを書き込みます。

この情報があると、実際の作業でどの工具を使い、どう結線するかが一目で分かります。

接続点の書き忘れは配線ミスに直結するので、ここまで書いて複線図の完成です。

試験によっては、真ん中にBOXを配置して、配線を収めるようにするケースもあります。

その際、BOXにブッシュを付けるなどの指示があるので注意してね!

【例】1灯1スイッチ+コンセントを5ステップでなぞる

いちばん基本的な「ランプ1つ+スイッチ1つ+コンセント1つ」の回路で、5ステップを具体的になぞってみます。

  • 器具を配置…電源・スイッチ・ランプ・コンセントを単線図と同じ位置に置く
  • 白(接地側)…電源の白を、ランプとコンセントへつなぐ(スイッチは通さない)
  • 黒(非接地側)…電源の黒を、スイッチとコンセントへつなぐ
  • 戻り線…スイッチからランプへ1本つなぐ(スイッチONでランプが点く)
  • 色・接続点…各線に色を書き、電源・スイッチ・ランプが集まる点に「リングスリーブ」か「差込」かを記入

この基本形が書ければ、あとは器具が増えたり、3路スイッチや端子台が加わったりするだけです。

複雑な問題も、やっていることはこの5ステップの繰り返し

まずはこの1灯1スイッチを、何も見ずに書けるようにするのが第一歩です。

①器具を置く→②白→③黒→④スイッチの戻り→⑤色と接続点。この順番なら、どの候補問題でも同じ手順で書けるよ。

なお、その年の具体的な候補問題の配線図は、必ず電気技術者試験センターの公表資料で確認してください。

この記事の手順は、どの問題にも共通する“書き方の型”です。

似たような回路でも配線指定によりガラリと変わる

図Aを変形させた単線図/複線図の例

図Aはよく参考書などで出てくる1灯1スイッチ+コンセントの一例ですが、図Bも1灯1スイッチ+コンセントの例です。

電気回路としては全くやっていることは一緒なのですが、違いは次の通りです。

  • 図Aはスイッチとコンセントを分けて接続。理由は接続するのにそれぞれケーブルを1本ずつ(計2本)使うため。
  • 図Bはスイッチとコンセントを一列に配置しているので、埋込連用取付枠(金具)で連結させる(試験の材料に取付枠は必ず出てくることがわかります)
  • 図Aは、2本VVF1.6-2C(2線)ケーブルを使うよう指示があるので、コンセント・スイッチそれぞれ別のコードで接続する。
  • 図Bは、VVF1.6-3C(3線)ケーブルの指示があり、1本のコードでコンセントとスイッチを接続する。

図Bに関しては、比較的実践的な内容であり、2024年12月の候補問題に類似箇所が挙げられています。

技能問題は実践に近い内容ですから、どのようなパターンになっても複線図を素早く書けるのが攻略がカギとなります。

問題には使うケーブルが書かれているので、よく読んで間違えないようにね!

複線図でよくある間違い(有資格者が実感)

複線図でよくある間違い(有資格者が実感)

手順を覚えても、実際に書くと同じところでミスが出ます。

私自身や、周りの受験者がつまずいたよくある間違いをまとめます。ここを知っておくだけで、失点がぐっと減ります。

極性(接地側/非接地側)の取り違え

いちばん多いのが、白と黒の取り違えです。

特にコンセントは「接地側(白)と非接地側(黒)」の向きが決まっているので、逆につなぐと欠陥になります。

「白は負荷とコンセント、黒はスイッチとコンセント」の原則を、書くたびに指差し確認する癖をつけましょう。

「W」(White)と部品に書いてある場合があるので、その場合は間違いなく白に接続しよう!

接続点(結線)の書き忘れ

電線どうしがつながる接続点を書き忘れると、実際の作業でリングスリーブや差込コネクタの数・位置を間違えます。

複線図の段階で「ここで何本つながるか」「圧着か差込か」まで書き込んでおくと、本番でパニックになりません。

3路スイッチの渡り線でこんがらがる

階段の照明などで使う3路スイッチは、複線図が一気に複雑になります。

2つのスイッチをつなぐ渡り線の描き方でこんがらがる人が多いので、3路が出る候補問題は特に繰り返し練習しておきましょう。

パターンを一度覚えてしまえば、本番でも落ち着いて書けます。

リングスリーブと差込形コネクタの区別

接続方法の指定を読み違えて、リングスリーブで結線すべき箇所を差込コネクタにしてしまう(またはその逆)ミスも起こりがちです。

問題の指示に従って、複線図の接続点に「圧着(○・小・中の刻印)」か「差込」かを明記しておきましょう。

これらのつまずきの背景には、工具の使い分けも関わってきます。

技能試験でそろえる工具については、第二種電気工事士 技能試験の工具はこれで足りる(落とし穴も解説)にまとめています。

複線図が「わからない」を抜ける練習法

複線図が「わからない」を抜ける練習法

複線図は、頭で理解するだけでは書けるようになりません。

手を動かして反復するのが唯一の近道です。私がやって効果があった練習法を紹介します。

候補問題13問を「紙とペン」で反復する

技能試験は、事前公表される候補問題13問のなかから1問が出ます。

だから、13問すべての複線図を、紙とペンでスラスラ書けるようにするのが最強の対策です。

工具も材料もいらないので、通勤中や休憩中のスキマ時間にできます。

まずは手順(5ステップ)を見ながらでいいので、13問を一巡。

慣れてきたら、何も見ずに書けるかを試します。

複線図を「捨てる」のは危険

ときどき「複線図を書かずに、いきなり配線する」という猛者の話を聞きますが、初心者が複線図を省くのは危険です。

複線図なしで配線すると、極性ミスや結線ミスに気づけず、欠陥で不合格になりやすくなります。

慣れないうちは、必ず複線図を書いてから作業に入りましょう。

数十秒〜数分で書けるようになれば、時間のロスにもなりません。

本番では「どこに・何問」書くのか

本番で複線図を書くのは、出題された1問についてだけです。

技能試験は候補問題13問から1問が出るので、その1問の複線図を、問題用紙の余白に書きます(複線図用のスペースの扱いは受験案内で確認してください)。

40分の制限時間の最初に、まず複線図をサッと書き上げ、そこから配線作業に入る――この流れを、練習の段階から本番と同じようにやっておくと安心です。

複線図は「理解」より「反復」。13問を紙で何度も書けば、本番は手が勝手に動くようになるんだ。

複線図の練習に使う教材

複線図の練習には、次のような教材があると効率的です。

  • 候補問題13問の複線図つき解説本…各問の単線図・複線図・作業手順が載っているもの。手順の答え合わせに使う
  • 技能試験の総合テキスト…複線図の書き方から欠陥基準まで、技能全体を1冊で確認できるもの

複線図は、正しい書き方を1冊で確認しながら反復するのがいちばん定着します。

独学でも、解説本があれば「自分の複線図が合っているか」を自分でチェックできます。

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複線図が書けるようになったら、次は実際に手を動かす練習です。

候補問題13問の全体像と対策は、第二種電気工事士 技能試験の候補問題13問の攻略で詳しく解説しています。

複線図についてよくある質問

複線図を書く手順は?

①器具を配置 →②接地側(白)を負荷・コンセントへ →③非接地側(黒)をスイッチ・コンセントへ →④スイッチから負荷への戻り線 →⑤電線の色と接続方法を記入、の5ステップです。この順番で書けば、どの候補問題でも同じ流れで対応できます。

複線図を捨てても(書かなくても)大丈夫?

おすすめしません。複線図は採点されませんが、書かずに配線すると極性ミスや結線ミスに気づけず、欠陥で不合格になりやすいです。慣れれば数分で書けるので、初心者は必ず書いてから作業に入りましょう。

複線図はどこに書けばいい?

本番では、出題された1問の複線図を問題用紙の余白などに書きます。複線図は提出物ではなく自分用のメモなので、自分が見て配線できれば十分です。書けるスペースの扱いは、当日の受験案内・指示に従ってください。

複線図は何問ぶん書くの?

本番で書くのは、出題された1問ぶんだけです。技能試験は候補問題13問から1問が出題されるので、その1問の複線図を書きます。ただし練習では、どれが出ても対応できるよう13問すべてを書けるようにしておきます。

まとめ:複線図は「順番」で書ける。あとは反復あるのみ

複線図は、技能試験の土台です。

難しく見えても、書き方の順番さえ覚えれば必ず書けるようになります。

最後に要点を整理します。

  • 複線図は採点されない“自分用の設計メモ”。速く・正確に書ければ体裁は不要
  • 基本は「白=負荷・コンセント」「黒=スイッチ・コンセント」の色分け
  • 書き方は①器具配置 →②白 →③黒 →④スイッチの戻り →⑤色・接続点の5ステップ
  • よくある間違いは極性・接続点の書き忘れ・3路・圧着と差込の区別
  • 上達法は候補問題13問を紙とペンで反復。捨てずに必ず書く

複線図が迷わず書けるようになれば、技能試験は一気にラクになります。

手を動かして、13問すべてを自分のものにしていきましょう。

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