「40分で終わる気がしない」——第二種電気工事士の技能試験を前にして、そう感じていませんか。
学科は突破したのに、実技になったとたん手が止まる。その不安は、練習量が足りないせいだけではありません。
この記事では、第二種電気工事士を実際に取得した私が、試験本番の立ち回りに絞ってコツをまとめます。
候補問題の解き方や複線図の描き方といった練習の中身は既存の記事に譲り、ここでは当日の40分に何が起きるかだけを扱います。
特に、試験センターの公式資料にしか書かれていない「本番のルール」は、上位の解説記事でもほとんど触れられていません。知らないまま受けると損をします。
第二種電気工事士の技能試験で問われているのは「手の速さ」ではない
最初に結論をお伝えします。技能試験の合否を分けるのは、器用さでも手の速さでもありません。
まずは目標設定を正しく置き直すところから始めましょう。
合否は減点の積み上げではなく「欠陥の有無」で決まる
技能試験は、作品に欠陥があるかどうかで合否が決まります。
試験センターが公開している受験者向け資料には、判定の考え方がはっきり書かれています。
欠陥のない作品が合格となりますので、課題の要求に適合した作品を時間内に作成できるように技能を習得してください。
つまり100点満点から減点していく方式ではありません。きれいに作れても、欠陥が一つ残れば通りません。
逆に言えば、見た目が多少不格好でも欠陥がなければ合格です。ここを取り違えると、練習の方向がずれます。

えっ、じゃあ丁寧に作り込む必要はないってこと?
丁寧さそのものより、「欠陥に該当しない状態」を確実に作ることが目標になる、ということです。
対策は「時間内に終わる手順」と「基準を知ること」の2本立てになる
欠陥の第一項目は「未完成のもの」です。時間内に完成しなければ、そこで終わります。
一方、完成しても基準を外していれば同じ結果になります。だから対策は二方向に分かれます。
技能試験の対策は2本立て。①40分で完成させる手順を体に入れること、②どこからが欠陥なのかを数字で知っておくこと。この2つが揃うと、練習の一回一回に意味が出てきます。
本記事はこの2本立てに、当日の可否ルールという3本目を足した構成にしています。
この記事で扱う範囲と、扱わない範囲
本記事が扱うのは、試験当日の立ち回りです。
候補問題そのものの攻略や複線図の描き方、工具の選定は、それぞれ専用の記事にまとめてあります。
役割を分けているので、本記事は本番の40分だけに集中できます。
前提:試験時間40分・候補問題13問という枠を正確に押さえる
コツの前に、動かせない枠を正確に確認しておきます。ここが曖昧だと時間配分が組めません。
それぞれ公式資料で確認していきましょう。
試験時間は40分(変更の可能性もある)
第二種電気工事士の技能試験の作業時間は40分です。
候補問題の公表資料には、すべての問題について40分の予定と明記されています。問題によって長短はありません。
ちなみに第一種は60分です。同じ感覚で練習すると、第二種では確実に足りなくなります。
試験時間は変わる可能性があります。公式資料にも「変更になる場合があります」という注記が添えられています。受験年度の案内で必ず確認してください。
候補問題13問の中から1問が出る
技能試験は、事前に公表された候補問題の中から出題されます。
公表される候補問題はNo.1からNo.13までの13問で、当日はこの配線図の中から出題される仕組みです。
ただし施工条件の詳細は当日の問題用紙にしか書かれていません。丸暗記が通用しない理由がここにあります。



13問という数は毎年変わりません。だから練習の総量が読めるんです。
候補問題が毎年同じなのかという疑問については、技能試験の候補問題は毎年同じなのかを検証した記事で詳しく扱っています。
技能試験の日程と、残り時間の考え方
第二種電気工事士の技能試験は、上期と下期の年2回実施されます。
令和8年度は上期が7月18日または19日、下期が12月12日または13日に予定されています。
上期が終わった直後から準備を始めれば、下期までおよそ5か月の練習期間が取れる計算になります。
日程は必ず公式で確認を。試験日や申込期間は年度ごとに変わります。詳細は試験センターの第二種電気工事士試験ページで最新の案内を確認してください。
材料は支給される。持ち込んだ材料は使えない
作業に必要な材料は、すべて試験会場で支給されます。
逆に、自分で持ち込んだ材料を使うことは禁じられています。支給品以外の材料を使った作品は欠陥として扱われます。
練習用に買った電線やリングスリーブを「予備」として持っていく、という発想は捨ててください。



足りなくなったらどうするの、って不安になっちゃう。
その不安には、後半の本番でできること・できないことで正面から答えます。実は救済措置があります。
コツ①:40分をこう割る(工程別の時間配分)


技能試験で最も多い相談が時間配分です。ここでは40分を工程ごとに割る考え方をまとめます。
まず全体像を表で押さえましょう。
| 工程 | 目安時間 | つまずいたときの判断 |
| ①複線図 | 5分前後 | 迷ったら描き直さず、色別と極性だけ先に確定させる |
|---|---|---|
| ②測って切る | 8分前後 | 寸法で悩まない。基準は「半分を切らないこと」 |
| ③器具への結線 | 13分前後 | 欠陥が出やすい工程。ここは速度より確実性 |
| ④電線相互の接続 | 9分前後 | ミスしてもやり直せる工程。落ち着いて処理する |
| ⑤見直し | 5分前後 | 削らない。ここを削ると欠陥に気づけない |
試験時間40分は公式に定められた数字ですが、各工程への配分は私の受験経験に基づく目安です。公式が定めた区切りではありません。
配分の考え方——先に「見直し」の時間を確保する
時間配分は、頭から順に足していくと必ず破綻します。
先に見直しの5分を確保し、残る35分を作業に割り当てるという逆算で組むのがコツです。
理由は単純で、欠陥は作っている最中には気づけないからです。手を止めて全体を見て初めて見つかります。



公式資料でも「完成した作品の見直しを忘れずに」と繰り返し促されています。
見直しは削ってよい余りではなく、最初から予算に組み込む固定費だと考えてください。
工程①複線図を描く
最初の工程が複線図です。ここでの間違いは、後工程すべてに波及します。
複線図でやることは、電線の本数と色別、そして極性を確定させることです。美しく描く必要はありません。
欠陥の分類には「誤接続、誤結線のもの」と「電線の色別、配線器具の極性が施工条件に相違したもの」が並んでいます。どちらも複線図の段階で決まります。
複線図が5分で描けないなら、練習の優先順位はそこです。描き方の手順は複線図の書き方5ステップにまとめてあります。手が止まる原因はたいてい手順が定まっていないことです。
工程②ケーブルを測って切る
次にケーブルを寸法どおりに切り出します。
ここで多くの人が時間を失います。理由は、ミリ単位の正確さを求めすぎるからです。
後述しますが、寸法が欠陥になるのは配線図に示された寸法の50%以下になったときです。数ミリの誤差で落ちることはありません。



半分を切らなければいいのね。それなら気が楽かも。
基準を知っているだけで、測る手が速くなります。これが「知っているだけで時間が生まれる」典型例です。
工程③器具に結線する
器具への結線は、最も欠陥が出やすい工程です。
欠陥の判断基準を見ても、器具への結線部分だけで10項目以上が細かく列挙されています。
ランプレセプタクルの輪づくり、引掛シーリングの被覆処理、埋込連用器具への差し込み。どれも数ミリ単位の基準があります。
この工程だけは速度を狙わないでください。器具への結線は、やり直しに最も時間がかかります。一度で決める意識のほうが結果的に速く終わります。
工程④電線相互を接続する(圧着・差込)
リングスリーブでの圧着、または差込形コネクタでの接続です。
ここは緊張しやすい工程ですが、実は本番でもやり直しが効く数少ない工程です。
公式資料には、刻印を間違えた場合は新しいリングスリーブで正しくやり直すように、という趣旨の案内があります。



ミスした瞬間に諦める人がいますが、それが一番もったいないです。
なぜやり直せるのかは本番でできること・できないことで説明します。ここが本記事で最もお伝えしたい部分です。
工程⑤見直し
最後は見直しです。ここで見るべき順番を決めておくと、短時間で回せます。
- 完成しているか(未完成は欠陥の第1項目)
- 結線が配線図と施工条件どおりか
- 電線の色別と極性が合っているか
- 圧着マークとリングスリーブの選択が適正か
- 心線の露出が基準を超えていないか
- 仮止めに使ったクリップ類をすべて外したか
6番目は忘れがちですが、見落とすと台無しになります。理由は後述します。
時間が足りなくなったときに何を捨てるか
残り時間が足りないと分かった瞬間の判断が、合否を分けます。
優先すべきは完成です。未完成は欠陥の筆頭に挙げられているため、途中で終われば内容を問わず不合格になります。
だから捨てるのは仕上がりの美しさと、迷っている時間です。作業そのものを飛ばしてはいけません。
手が遅い人ほど、削るべきは作業ではなく迷いです。次に何をするか考えている数十秒が、積み上がって10分になります。手順が決まっていれば、その時間はまるごと消えます。
コツ②:欠陥の「数値の線引き」を知ると迷いが消える


技能試験の欠陥は、感覚ではなく数字で決まっています。ここを知ると、やり過ぎもやり足りなさも消えます。
- 欠陥の判断基準は12の分類に整理されている
- 寸法は「50%以下」で欠陥
- リングスリーブまわりの数値
- 差込形コネクタは「見える/見えない」で判定される
- 輪づくりで欠陥になる4パターン
- 逆に「欠陥にならない」と明記されているもの
代表的な数字を一覧にしました。
| 箇所 | 欠陥になる条件 | 補足 |
| 寸法 | 配線図に示された寸法の50%以下 | 器具は中心からの寸法で見る |
|---|---|---|
| ケーブル外装 | 縦われが20mm以上 | 折り曲げて絶縁被覆が露出するのもNG |
| リングスリーブ上端 | 心線が5mm以上露出 | 目視で確認できる |
| リングスリーブ下端 | 心線が10mm以上露出 | 被覆のむき過ぎが原因 |
| 絶縁被覆の長さ | はぎ取り不足で20mm以下 | 外装を剥きすぎたときに起きる |
| 差込形コネクタ | 先端から心線が見えない/下端から心線が見える | 真横から目視して判定 |
| ねじなし端子 | 心線が2mm以上露出 | 引掛シーリングは1mm以上で欠陥 |
| 輪づくり | ねじの端から心線が5mm以上はみ出す | 巻き付け不足や左巻きもNG |
出典は試験センターが公開する欠陥の判断基準です。受験前に一度は原文に目を通してください。
欠陥の判断基準は12の分類に整理されている
欠陥の判断基準は、大きく12の項目に分かれています。
未完成、配置や寸法の相違、誤接続、色別と極性、電線の損傷、リングスリーブ、差込形コネクタ、器具への結線。ここまでが前半です。
後半は金属管工事、合成樹脂製可とう電線管工事、取付枠、そしてその他という並びになっています。



12個もあるの。全部覚えるのは無理そう。
全部を暗記する必要はありません。自分がやりがちなミスがどの項目に当たるかだけ把握すれば十分です。
寸法は「50%以下」で欠陥——ここを知ると測る手が速くなる
寸法に関する欠陥は、配線図に示された寸法の50%以下になった場合です。
器具については、中心からの寸法で判断されます。
つまり150mmと指定された箇所なら、75mmを下回らなければ寸法単独で欠陥にはなりません。
ただし、短く切りすぎると別の問題が起きます。短いケーブルは器具への結線がしにくくなり、結果として結線部分の欠陥を誘発します。「50%を切らなければいい」は、雑に切ってよいという意味ではありません。
リングスリーブまわりの数値(心線の露出と絶縁被覆)
圧着接続の欠陥は、心線がどれだけ見えているかで決まります。
上端から心線が5mm以上露出していれば欠陥、下端から心線が10mm以上露出していても欠陥です。
また、外装のはぎ取りが足りず絶縁被覆が20mm以下になっている場合も欠陥として扱われます。



上を見て、下を見る。この二方向の確認を習慣にすると見落としが減ります。
加えて、リングスリーブを上から覗いて心線の先端が一本でも見えなければ欠陥です。本数の確認も忘れないでください。
差込形コネクタは「見える/見えない」で判定される
差込形コネクタの判定は、数字ではなく見え方で決まります。
真横から見て、先端部分に心線が見えなければ欠陥です。差し込みが浅いという判断になります。
反対に、下端部分から心線が見えている場合も欠陥です。むき過ぎということになります。
覚え方は「上は見えてOK、下は見えたらNG」。先端側は心線が確認できる状態が正解で、根元側は絶縁被覆で隠れているのが正解です。練習のたびに真横から覗く癖をつけてください。
ランプレセプタクルの輪づくりで欠陥になる4パターン
輪づくりは、多くの受験者がつまずく作業です。
- 心線の巻き付けが不足している(4分の3周以下)
- 心線を重ね巻きしている
- 心線を左巻きにしている
- 心線がねじの端から5mm以上はみ出している
さらに、カバーが締まらない状態も欠陥に含まれます。被覆を長く残しすぎると起こります。
公式資料でも、実際の工事ではカバーを被せることを念頭に練習するよう促されています。
右巻きで、4分の3周を超えて、ねじからはみ出さない。この3点を口に出しながら練習すると定着が早くなります。
逆に「欠陥にならない」と明記されているもの
基準には、欠陥として扱わないと明示されている項目もあります。ここは安心材料になります。
| 状態 | 扱い |
| リングスリーブ下端から10mm以内の絶縁被覆の傷 | 欠陥としない |
|---|---|
| ランプレセプタクル・引掛シーリング・露出形コンセントの台座の欠け | 欠陥としない |
台座を少し欠けさせてしまい、そこで心が折れる人がいます。基準を知っていれば動揺せずに済みます。



知らないだけで、勝手に諦めちゃうことってあるのね。
まさにそれが、この記事で潰したい損失です。
コツ③:本番で「できること・できないこと」を先に知っておく


ここが本記事で最も価値のある部分です。公式資料にしか書かれておらず、解説記事ではほとんど扱われていません。
- 作業開始後でも交換してもらえる材料が3つある
- 電線を束ねるクリップは使えるが、終了までに必ず外す
- 立ち続けると失格になる
- 部品を入れる小箱は持ち込めない
- ペン印は問題ないが、机へのスケール直貼りはNG
- 電動工具は充電式でも電源を切っていても使えない
- カッターナイフは使用自粛が求められている
まとめて表で確認しましょう。
| 項目 | 可否 | 補足 |
| 開始後のリングスリーブ・差込形コネクタ・端子ねじの交換 | できる | この3つは交換・追加支給の対象 |
|---|---|---|
| 開始後のそれ以外の材料交換 | できない | 開始前の材料確認が勝負 |
| 電線を一時的に束ねるクリップ | 使える | 試験終了までに必ず取り外す |
| 立ち続けての作業 | できない | 立ち続けた場合は失格。一時的に立つのは可 |
| 部品を入れる小箱の持ち込み | できない | 支給される材料箱を使う |
| ケーブルへのペン印 | できる | 寸法取りに使える |
| 机へのスケール直貼り | できない | 保護板に貼る運用にする |
| 電動工具(充電式を含む) | 使えない | 持参しないよう注意喚起されている |
| 改造した工具・自作した工具 | 使えない | 目盛の書き込みも改造にあたる |
| テスタなどの計測器 | 使えない | 工具以外の物は原則不可 |
| 工具箱・工具袋の机上設置 | できる | スペースには配慮する |
いずれも試験センターの受験者向け資料に基づく内容です。年度によって変わる可能性があるため、受験前に原文で確認してください。
作業開始後でも交換してもらえる材料が3つある
これを知っているかどうかで、本番のメンタルがまったく変わります。
公式資料には、作業開始後はリングスリーブ・差込形コネクタ・端子ねじ以外の材料交換や追加支給は行わない、と書かれています。
裏を返せば、この3つについては開始後でも対応してもらえるということです。



圧着の刻印を間違えても、予備があるし、予備を使い切っても新しいスリーブで正しくやり直せます。終わりではありません。
間違った圧着をそのまま残せば確実に欠陥です。やり直したほうが合格に近づきます。
逆にケーブルや器具は交換されません。だからこそ、開始前の材料確認が最後の防衛線になります。
電線を束ねるクリップは使えるが、終了までに必ず外す
電線を一時的に束ねるクリップ類は、試験で使用できます。
ただし条件があり、試験終了までに必ず取り外すことが求められています。
結線の仮止めに便利な道具ほど、外し忘れのリスクが上がります。見直しの最後に必ず確認してください。
クリップを使うなら「外す」までをワンセットに。工具そのものの選び方は技能試験の工具をまとめた記事で解説しています。何を買うか迷っている段階なら、先にそちらを読んでください。


立ち続けると失格になる
技能試験の作業は、椅子に座って行うものと定められています。
公式のよくある問合せでは、立ち続けた場合は失格になると明示されています。
ただし、力を入れる場面で一時的に立つことは問題ないとされています。圧着の瞬間に腰を浮かせる程度なら心配いりません。



知らないと、つい立ったまま作業しちゃいそう。
練習を立ってやっている人ほど危険です。本番と同じ姿勢で練習してください。
部品を入れる小箱は持ち込めない
リングスリーブのような小さな部品を整理するケースは、持ち込めません。
理由は、材料を持ち込んだ疑いを避けるためと説明されています。
部品の管理には、支給される材料箱を使うことになります。練習でも材料箱に近い環境を作っておくと本番で慌てません。
整理用トレーを前提にした練習は本番で通用しません。普段から支給品だけで完結する作業台の作り方に慣れておくと、当日の動線が変わりません。
ペン印は問題ないが、机へのスケール直貼りはNG
ケーブルにペンで印をつけることは、公式に問題ないとされています。
寸法取りを速くしたいなら、この方法は積極的に使ってよいわけです。
一方、机にスケールを直接貼るのは避けるよう案内されています。保護板に貼る運用が示されています。



机を傷めた場合は受験者負担になる、という説明もあります。
スケールを貼る前提で練習しているなら、保護板ごと持ち込む形に切り替えておきましょう。
電動工具は充電式でも、電源を切っていても使えない
電動工具は使用できません。ここは例外なしと考えてください。
公式資料は冒頭で強く注意喚起しており、充電式の電動機能付工具も対象に含めています。
さらに、電動機能をオフにして使う場合でも認められないと明記されています。
持参しないのが最も安全です。使用が確認された場合は不正行為となり失格につながります。工具袋に入れっぱなしにしていないか、前日に必ず点検してください。
あわせて、改造した工具や自作した工具も使えません。持ち手を延ばした圧着工具などが例として挙げられています。
カッターナイフは使用自粛が求められている
意外と知られていないのが、カッターナイフに関する案内です。
近年カッターナイフでケガをして退出する受験者が増えているため、使用の自粛が求められています。
出血が止まらない場合は、手当てを優先して作業を終了することがあるとも書かれています。



ケガで途中退出なんて、想像もしていなかった…。
外装のはぎ取りはVVFストリッパーで完結します。カッターに頼らない手順を練習の段階で確立しておきましょう。
\ 候補問題13問を1回ずつ組める /
試験当日の流れ——どこで何が起きるか知っていれば焦らない


当日の流れを知っておくと、想定外が減ります。想定外が減れば、迷う時間も減ります。
順番に見ていきましょう。
入室から試験問題と材料箱の配付まで
着席後、試験問題と材料箱が配られます。
このとき、試験開始前に試験問題を開くと不正行為として扱われます。手元に来ても触らないでください。
問題用紙はA3を二つ折りにしたA4サイズで配付されます。中身が見えないよう配慮されています。



早く問題を見たくなりますが、ここで焦ると全部が台無しになります。
監督員の指示に従うこと。それだけで防げるリスクです。
材料確認——本番前の最後の防衛線
作業前に、材料表と材料箱の中身を照合する時間があります。
不足や不備があれば、この材料確認中に申し出る必要があります。
試験開始後の材料交換には一切応じてもらえません。前述の3点を除いて、後から取り返しがつかない工程です。
確認が早く終わってもすることはあります。材料の配置を決めておくと、開始直後の動きが速くなります。ただし一斉スタートなので、問題を開いたり作業を始めたりはできません。
試験開始から終了まで
監督員の合図で一斉に作業が始まります。ここから40分です。
終了の合図が出たら、直ちにすべての作業を止めます。合図後の作業継続は不正行為にあたります。
早く終わった場合は、受験番号札を作品に取り付けて、周囲を整理しておきます。



終わった後にやることまで決まってるのね。
受験番号札の取り付けを忘れると、誰の作品か分からなくなります。見直しの一部として組み込んでおきましょう。
退出と、その後の判定
退出は一人ずつ行われます。作品を確実に預かるための手順です。
大きい試験室では時間がかかることもあると案内されています。慌てる必要はありません。
その後、提出された作品について欠陥の有無が判定され、合否が決まります。
試験の基準は現場の基準より緩く設定されています。公式資料には、判断基準は試験環境や代用品の制約を踏まえたものであり、実際の工事ではより厳密な施工が求められると書かれています。合格=現場で通用する、ではない点は覚えておきたいところです。
コツ④:本番で通用する手は「13問を一度は自分で組む」ことでしか作れない


ここまでの3つのコツは、知識で埋められる部分でした。残りは手を動かすしかありません。
練習環境の作り方を整理します。
見て覚えるのと、作って覚えるのは別物
動画で手順を見ると、できる気になります。私も最初はそうでした。
ところが実際に工具を持つと、輪づくり一つで手が止まります。見ることと作ることの間には大きな差があります。
40分という制限は、工程が体に入っていることを前提にした時間設定です。考えながらでは間に合いません。



手順を思い出す時間がゼロになって、はじめて40分に収まります。
だから練習の目的は「速く作ること」ではなく「迷わない状態を作ること」になります。
練習用の器具セットは「13問を1回ずつ」が基準
練習用の器具は、候補問題の数を基準に選ぶと無駄が出ません。
定番のHOZAN DK-55は、候補問題13問を1回ずつ練習できる構成になっています。
候補問題全13問を1回ずつ練習できる器具が入組みされています
器具は繰り返し使えるものが多いため、周回するときも器具側は使い回せます。
候補問題そのものの中身は、候補問題13問の攻略記事にまとめてあります。


電線とリングスリーブは別売——知らずに買うと練習初日に止まる
ここは正直にお伝えします。器具セットに電線もリングスリーブも含まれていません。
メーカーの構成比較を見ると、DK-55はVVFなどの電線類とリングスリーブの欄がすべて対象外になっています。
器具は繰り返し使えますが、電線とリングスリーブは切って潰す消耗品です。この2つは別に用意することになります。



器具は使い回せて、電線とスリーブは消えていく。そういう分け方なのね。
ホーザンの練習用セットは、この考え方で品番が分かれています。選び間違えないよう整理しておきます。
| 品番 | 中身 | こういう人向け |
| DK-51 | 器具+電線・リングスリーブ(1回分) | 何も持っておらず、まず1周したい人 |
|---|---|---|
| DK-52 | 器具+電線・リングスリーブ(2回分) | 最初から2周する前提の人 |
| DK-53 | 器具+電線・リングスリーブ(3回分) | 3周して手順を固めたい人 |
| DK-54 | 電線・リングスリーブのみ | 器具は持っていて、消耗品を足したい人 |
| DK-55 | 器具のみ(電線・リングスリーブなし) | 電線を自分で調達する人 |
構成の詳細はホーザンの製品ページで品番ごとに比較できます。注文前に一度確認してください。
この構造を知らずに「セットを買えば全部そろう」と思って注文すると、練習初日に止まります。
工具は何を揃えるか
工具がまだ手元にないなら、指定工具の入ったセットから入るのが早道です。
| セット | 中身 | こういう人向け |
| DK-55 | 候補問題13問を1回ずつ組める器具(電線・リングスリーブは別売) | 工具はあり、電線を自分で調達する人 |
|---|---|---|
| DK-17 | 指定工具にVVFストリッパーと合格クリップを加えた工具セット | 工具をこれから買う人 |
| DK-54 | 電線とリングスリーブだけの消耗品セット | 器具と工具が既にある人 |
\ 工具がまだなら指定工具ごと /
工具の詳しい選び方は技能試験の工具をまとめた記事で解説しています。


練習用の器具セットを買うメリットと、買わずに済ませる場合のデメリット
器具セットは安い買い物ではありません。買う価値があるかどうかを整理します。
判断材料を並べます。
買うメリット
最大のメリットは、候補問題に必要な器具が過不足なく揃うことです。
ランプレセプタクルや引掛シーリング、埋込連用取付枠などを個別に集めると、種類の判断で時間を取られます。
もう一つは、本番と同じ器具で手順を固められることです。器具が違うと感触も変わります。



器具は繰り返し使えるので、1セットで何周でも回せます。
消えていくのは電線だけ。この点はコスト面でも読みやすい構造です。
買わない場合のデメリット
器具を揃えずに臨むと、練習が複線図と座学だけに偏ります。
その状態では、輪づくりや圧着の感覚が身につきません。欠陥の多くはここで生まれます。
結果として、40分という時間設定に対して手順が固まらないまま本番を迎えることになります。
再受験のコストと比較して考えるのが現実的です。もう一度受けるとなれば受験料と、次の試験までの数か月が必要になります。練習環境への投資は、その機会損失を減らすための費用と捉えられます。
買う場合の注意点
注意点は3つあります。順に確認してください。
- 電線とリングスリーブが含まれているかを品番ごとに確認する
- 受験する年度の候補問題に対応した内容かを確認する
- 工具を持っているかどうかで、器具セットと工具セットを選び分ける
特に1つ目は間違えやすいので、注文前に必ず見てください。
器具セットを買ったほうがいい人・買わなくてよい人
すべての人に必要なわけではありません。条件で分けて考えます。
自分がどちらに当てはまるか確認してみてください。
買ったほうがいい人
電気工事の実務経験がなく、器具に触れた回数が数えるほどしかない人です。
この層は、手順の定着に最も時間がかかります。逆に言えば、練習環境を作った瞬間に伸びしろが最も大きい層でもあります。
また、一度技能試験で不合格になった経験がある人も該当します。原因の多くは練習量ではなく練習の質にあります。



「手を動かした回数」が足りてないってことね。
13問を一度も通しで組んでいないなら、そこが最優先の課題になります。
買わなくてよい人
電気工事の実務に就いていて、日常的に器具を扱っている人は不要な場合があります。
また、職場や職業訓練校で練習用の器具を借りられる環境があるなら、そちらを使えば十分です。
その場合でも、電線と工具だけは自分の手に馴染んだものを用意しておくと安心できます。
借りられるなら借りるのが合理的です。この記事は器具セットを勧めていますが、目的はあくまで13問を自分の手で組むこと。手段は問いません。
「受かる気がしない」と感じている人へ


この検索をする人の多くが、同時に「受かる気がしない」とも調べています。その不安を分解してみます。
精神論ではなく、対処できる形に分けていきます。
不安の正体は「時間」か「欠陥」のどちらか
漠然とした不安も、分解すればたいてい2つに収まります。
時間内に終わらないのではという不安と、どこかに欠陥が残るのではという不安です。
前者には工程別の時間配分が、後者には数値の線引きが対処になります。



不安の輪郭が見えると、やることが決まります。そこからは作業です。
「なんとなく怖い」状態のまま練習を重ねても、その怖さは消えません。
手が遅い自覚があるなら、削るのは作業ではなく迷いの時間
手が遅いと感じている人の多くは、実は作業が遅いわけではありません。
次に何をするか考えている時間、寸法で迷っている時間、基準がわからず確認している時間。これらが積み上がっています。
手順を固定し、基準を数字で覚えれば、迷いの時間はまるごと消せます。
器用さは短期間で変わりませんが、迷いは知識で消せます。技能試験が独学でも突破できるといわれるのは、この構造があるからです。
前回落ちた人が、次までにやること
不合格だった場合、まず原因を欠陥の分類に当てはめてみてください。
未完成だったのか、接続を誤ったのか、それとも仕上がりの基準を外したのか。対策はそれぞれ違います。
上期と下期の間はおよそ5か月あります。13問を通しで組み直すには十分な期間です。



時間はあるのね。じゃあ何をやるかが大事なんだ。
学科から見直したい場合は、学科試験は過去問だけで受かるのかを検証した記事もあわせてどうぞ。
第二種電気工事士の技能試験に関するよくある質問
検索でよく見かける疑問に、公式資料をもとに答えます。
技能試験の時間配分はどうすればいいですか?
試験時間は40分です。先に見直しの5分を確保し、残る35分を複線図・切り出し・器具への結線・電線相互の接続に割り当てる逆算方式が組みやすくなります。配分の目安は工程別の時間配分にまとめています。
技能試験に受かるコツは何ですか?
速く作ることではなく、欠陥を出さずに時間内へ収めることです。合否は欠陥の有無で決まるため、基準を数字で把握しておくと迷いが減ります。
電気工事士2種の技能試験に裏ワザはありますか?
裏ワザと呼べるものはありません。ただし、開始後に交換できる材料があることやケーブルへのペン印が認められていることなど、知っていれば損をしないルールはあります。
本番で圧着をミスしたら、もう不合格ですか?
そうとは限りません。リングスリーブ・差込形コネクタ・端子ねじは作業開始後も交換や追加支給の対象とされています。刻印を誤ったら、新しいリングスリーブで正しくやり直すほうが合格に近づきます。
寸法が少しずれたら落ちますか?
寸法が欠陥になるのは、配線図に示された寸法の50%以下になった場合です。器具は中心からの寸法で判断されます。数ミリの誤差で寸法単独の欠陥になることはありません。
合格クリップは試験で使ってもいいですか?
電線を一時的に束ねるクリップ類は使用できます。ただし試験終了までに必ず取り外すことが条件とされているため、見直しの最後に確認してください。
練習キットは1つで足りますか?
器具セットは候補問題13問を1回ずつ練習できる構成が基準です。ただしDK-55には電線とリングスリーブが含まれないため、別途用意する必要があります。電線込みで始めたい場合はDK-51などを検討してください。
技能試験で電動ドライバーは使えますか?
使えません。充電式の電動機能付工具も対象で、電動機能をオフにした状態でも認められていません。持参しないよう注意が呼びかけられています。
まとめ:技能試験のコツは「知っていれば防げること」を全部潰すこと
第二種電気工事士の技能試験は、器用さを競う試験ではありません。
欠陥のない作品を40分で仕上げる。そのために必要なのは、手順と基準と当日のルールです。
知識で埋められる部分は、この記事でほぼ埋まったはずです。
残るのは、手を動かして迷わない状態を作ることだけになります。
試験日までの残り時間から逆算して、13問を通しで組める環境を先に整えてください。



知識は今日でバッチリ埋まりました。あとは手を動かすだけです。
\ 13問を通しで組める練習環境を /
勉強法の全体像は第二種電気工事士に独学で合格する勉強法にまとめています。あわせて読んでみてください。








