
「第一級アマチュア無線技士(1アマ)に挑戦したいけれど、難易度はどのくらい?どう勉強すればいい?」
その疑問に、正直にお答えします。
私は1アマに、3回受験して、ようやく合格しました。



一発では受からなかったぶん、「どこでつまずくか」「何を変えれば受かるか」が身にしみて分かっています。
この記事では、その経験をもとに、1アマの試験のしくみ・難易度・科目別の勉強法、そして法規の頻出ポイントまでをまとめます。
遠回りした私だからこそ書ける、現実的な攻略法です。


記事を書いた人
【きのぴぃ】
- CB免許廃止前にサイタマAD720/AE215のコールサインを取得。〇〇年にわたり細々と無線活動中。
- 電気工事士・第一級陸上無線技術士などの資格を持ち、電気・無線が得意です。
- 電波新聞社 月刊「ラジオの製作」元ライター フリーライセンス無線を主軸にガジェット記事を執筆
- 電波新聞社 アマチュア無線受験マニュアル企画記事担当
- マガジンランド 月刊「Let’s HAMing」元ライター
1アマ試験のしくみ(2科目・7割で合格)


まず、1アマの試験のしくみを整理します。
試験科目は「無線工学」と「法規」の2科目です。
- 無線工学…30問・2時間30分。満点150点に対して合格点105点
- 法規…30問・2時間30分
ポイントは、合格ラインが各科目7割だということです(無線工学は150点中105点=7割)。



プロ資格である陸上無線技術士などが6割合格なのに対し、1アマは1段高い7割が必要になります。
ここは意外と見落とされがちなポイントです。
試験は年2回・1アマはCBTではない
1アマの国家試験は、年2回(5月期・11月期)に実施されます(申請はおおむね3月・9月の各1〜20日ごろ)。
注意したいのが試験方式です。
第三級・第四級アマチュア無線技士などはCBT(パソコンで受けるコンピュータ試験)に移行していますが、1アマ(と2アマ)はCBTではなく、従来どおりの定期試験(紙の試験)です。
「アマチュア無線=CBT」と思い込んでいると足をすくわれるので、1アマは定期試験である点を押さえておきましょう。



合格ラインが7割、しかも1アマは紙の定期試験。まずこの前提を間違えないことが大事だよ。
1アマの難易度:私は3回目で合格した
正直に書きましょう。



私は1アマに3回目でようやく合格しました。
アマチュア無線の最上位資格だけあって、一発合格は決して簡単ではありません(運が良ければなくもないですが)。
特に無線工学は、計算問題も含めて歯ごたえがあります。
合格率は試験回によって変動しますが、「上級資格でそれなりに落ちる人もいる試験」という前提で、腰を据えて取り組むのが現実的です。



裏を返せば、正しいやり方で十分に準備すれば、独学でも合格できる資格でもあります。
私自身、市販の教材だけで合格しました。
1アマ合格までの勉強スケジュール


必要な勉強時間は、これまでの無線・電気の知識量によって大きく変わるので一概には言えません。
ただ、上級資格である以上、数か月単位の計画を立てて臨むのが現実的です。
- 無線工学に多めの時間を割く…合否を分けるのはこちら。過去問の反復に一番時間がかかる
- 法規は工学の合間に少しずつ…範囲を絞りやすく、暗記中心で仕上げられる。工学の息抜きにちょうどいい
- 直前期は苦手分野の過去問に集中…間違えた問題だけを繰り返し、取りこぼしを減らす
「工学を主軸に、法規で確実に上乗せする」——この組み立てが、7割という合格ラインを超えるうえで効きました。
無線工学の勉強法と「過去問の落とし穴」


1アマ攻略のカギは無線工学です。
基本は過去問の反復ですが、ここに大きな落とし穴があります。
「5年分だけ」では足をすくわれる
ネット上には「1アマは5年分くらいの過去問をやれば受かる」という情報も見かけます。



しかし、実際に試験を分析してみると、5年分の過去問だけに固執すると、最悪の回に当たったときに大きく点を落とすリスクがあります。
年によっては、5年より前の年度からの類似問題や新問が多く出ることがあるからです。
私の分析では、10年分ほどの過去問をしっかり回すほうが、どの回に当たっても安定して合格圏に届きます。
(年ごとの出題傾向を細かく集計した記録は1アマ試験の過去問傾向の考察にまとめています。)
新問対策は「解き方の基礎」を理解すること
過去問を丸暗記するだけだと、初見の新問でつまずきます。



対策は「なぜその答えになるか」という解き方の基礎を理解しておくことです。
基礎が分かっていれば、見たことのない問題でも、その場で組み立てて解けるようになります。
試験を作る側も、「基礎をちゃんと理解しているか」を見ているのだと、3回受けて感じました。
計算問題は「捨てずに、手順で覚える」
無線工学には計算問題が一定数出ます。
数式が苦手だと丸ごと捨てたくなりますが、7割合格の1アマでは計算を捨てると一気に苦しくなります。



おすすめは、よく出る計算問題の解き方の手順をパターンとして覚えてしまうことです。
数字が変わっても同じ手順で解けるので、過去問を繰り返すうちに安定した得点源になります。
全部を理論から導けなくても、頻出パターンだけ手順で押さえれば十分に戦えます。
法規の勉強法と頻出ポイント(罰則の覚え方)


法規は、範囲を絞って勉強しやすく、点が取りやすい科目です。
無線工学で苦戦するぶん、法規を確実に固めておくと合格がぐっと近づきます。
私が受験した経験から、特に押さえておきたい頻出テーマを挙げます。
- Q符号・略号…モールスと絡めて出ることもある
- モールス符号…欧文モールスが分からないと確実に失点。ここは取れれば大きい
- 電波の定義・電波形式…表から違うものを選ぶ形などで頻出
- 国際法…パターンが多いので、ひととおり押さえておく
- 罰則(拘禁刑・罰金)…似た組み合わせの区別が問われる
モールスは「法規の筆記」で問われる
かつてあった実技のモールス送受信は、現在は課されません。
ただし、モールス符号やQ符号は法規の筆記問題として出題されます。
欧文モールスを覚えておくだけで数問(=十数点)を確実に取れることもあるので、コスパの良い得点源です。
罰則は「組み合わせ」で覚えると強い
法規で受験生が混乱しやすいのが罰則です。
「どの違反が、どの重さの罰則か」を問われるので、組み合わせで整理して覚えると得点しやすくなります。
私が受験時に整理していた対応は、次のとおりです。
| 罰則(目安) | 主な違反 |
|---|---|
| 1年&50万円 | 無線通信の秘密の保護(取扱中に知り得た内容を漏らす) |
| 2年&100万円 | 無線通信の秘密の保護(従事者が業務上知り得た内容を漏らす) |
| 1年&100万円 | 免許状の記載事項の順守(オフバンド・オーバーパワー等)/目的外使用の禁止 |
| 3年&150万円 | 虚偽の通信 |
| 5年&250万円 | 無線通信の妨害(最も悪質で罰則が重い) |
使った教材(過去問集・参考書)
1アマは独学で合格できる資格です。
私も市販の過去問集と参考書だけで合格しました。
進め方はシンプルです。
- 過去問集…できれば10年分ほどをカバーできるもの。これを主役に繰り返す
- 参考書…無線工学の「解き方の基礎」を理解できるもの。過去問で分からない所を調べる辞書として使う
\ キミも上級ハムを目指そう! /
次のステップ:1アマの先にある一陸技
もし1アマを取ったあと、さらに上を目指したくなったら、第一級陸上無線技術士(一陸技)というプロの無線技術者の資格選択肢があります。
私自身、1アマの合格が奮起のきっかけになって一陸技に挑戦し、合格できました。



1アマで学んだ無線工学の知識が、一陸技の土台としてそのまま効いたのです。
1アマは、それ自体がゴールにもなりますし、上位資格への良い踏み台にもなります。
一陸技に興味が出たら、一陸技に独学合格する勉強法もあわせてどうぞ。


1アマのよくある質問
合格点は何点?
無線工学は150点満点に対して合格点105点(7割)です。法規も含め、各科目でおおむね7割を取れば合格です。プロ資格の6割合格より1段高い点に注意しましょう。
なぜ1アマは難しいと言われる?
アマチュア無線の最上位資格で、無線工学の内容が上級レベルだからです。計算問題もあり、合格ラインも7割と高め。私も3回受けてようやく合格しました。ただし、過去問を10年分+解き方の基礎を理解すれば、独学でも十分狙えます。
モールスの実技は必要?
現在、実技のモールス送受信は課されません。ただし、モールス符号やQ符号は法規の筆記問題として出るので、覚えておくと得点源になります。
まとめ:正しいやり方なら、独学でも1アマは受かる
私は3回かかりましたが、遠回りしたからこそ言えます。
1アマ攻略の要点はシンプルです。
- 合格は各科目7割。1アマは紙の定期試験(CBTではない)
- 無線工学は10年分の過去問+解き方の基礎で新問にも対応
- 法規は頻出テーマと罰則の組み合わせを整理して得点源に
正しいやり方で準備すれば、独学でも1アマは十分に合格できます。
そして、その先には一陸技という道も開けています。あなたの挑戦を応援しています。








