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LDACとAACの違いが分からない理由|実聴の限界と96kHzの壁

以前からもそうだったけれど、「LDACは高サンプリング周波数・高ビットレートで音がいい」などと言われているが本当にそうなのでしょうか。

先日、LDAC対応のイヤホンを使おうとして、色々な機器を購入したりしたのだけれど、単に年のせいで高音域が聞こえなくなっただけなのか、それとも本当は高音質ではないのではないのかと。

いい機会なので、LDACについて記事をまとめようと思い立ちました。

無線&電気系エンジニアの端くれなので、その知見も盛り込んでいるので、是非参考にしてくださいね!

目次

そもそもLDAC(エルダック)とは?

LDAC(エルダック)とは、ソニーが開発したBluetooth用の高音質コーデックです。

従来のSBCやAACよりも多くのデータを送れるため、最大990kbps・96kHz/24bitのいわゆるハイレゾ級の伝送に対応しているのが特徴です。

ワイヤレスでもできるだけ音質を落とさずに聞きたい、という人に向けた規格と言えます。

LDACの3つのモードビットレート向いている場面
音質優先モード990kbps電波が安定した室内でじっくり聞く
標準モード660kbps音質と安定のバランス重視(おすすめ)
接続優先モード330kbps混雑した場所で音切れを避けたい

接続状況に応じて自動で切り替わりますが、安定を優先するなら標準モード以下が扱いやすいです。

ざっくり言うと「ソニーのハイレゾ用Bluetoothコーデック」って覚えておけばOKだよ。

LDACと他のコーデックの違い

各コーデックの音質の違い

各コーデックの違いは、次の通りです。

コーデックの方式ビットレートサンプリング周波数ビット数備考
aptX Adaptive280~420kbps(可変)96kHz24参考(Qualcom)
aptX Lossless140k~1000kbps超(可変)96kHz(44.1kHz)24(16)参考(Qualcom)
LDAC(音質優先モード)990kbps96kHz24SONY
HWA(ゴールド)900kbps96kHz24HUAWEI
LDAC(標準モード)660kbps96kHz24SONY
aptX HD576kbps48kHz24Qualcom
HWA(ダイヤモンド)500/550kbps96kHz24HUAWEI
HWA(プラチナ)400kbps96kHz24HUAWEI
aptX384kbps48kHz16Qualcom
aptX LL352kbps48kHz16Qualcom
LDAC(接続優先モード)330kbps96kHz24SONY
SBC(bitpool:53)328kbps48kHz16
AAC320kbps48kHz16Apple
AAC256kbps(可変)48kHz16Apple
SBC(bitpool:32)192kbps48kHz16
AAC128kbps48kHz16Apple

192kbpsのSBC(bitpool:32)及びAACの128/256kbpsは論外なので除くとして、ビットレート云々で理論上の話をすると、まずは300kbps前後のものはどうでしょうか。

328kのSBC、320kbpsのAAC、352kHzのaptX LL、384kbpsのaptXは、サンプリング周波数が最高48kHz(16bit)なので、音質に大差がないことが考えられる。

しかし、SonyではLDAC(接続優先モード)はSBCよりも優れているというようにサイトに表記しているのはどういったことなのでしょうか。

それは、LDACはサンプリング周波数が最高96kHz(24bit)だからに他ならず、400kbpsのHWA(プラチナ)にも言えることです。

続いて、500~700kbpsについてはどうか。

576kHzのaptX HDはサンプリング周波数が最高48kHz(16bit)に対し、500/550kbpsのHWA(ダイヤモンド)、660kbpsのLDAC(標準モード)は最高96kHz(24bit)なので、高音域が高い周波数まで伸びていることが考えられる。

最後に、900~990kbpsについて。

900kbpsのHWA(ゴールド)、990kbpsのLDAC(標準モード)は最高96kHz(24bit)なので、高音域が高い周波数まで伸びていることが考えられる。また、ビットレートが高いので、それだけデータ圧縮しないので、高音質となる。

サンプリング周波数が高いということは、聞ける音域がより広くなるということで、聞こえなかった音が聞こえるかも知れません。

ビット数が高いということは、DAC同様、楽器などの微妙なニュアンスが聞き取りやすくなるということに繋がります。

ビットレートが高いと、データの圧縮率が低くなるので、音質を損ねず、かつ速くデータを送れます。

「サンプリング周波数」「ビット数」「ビットレート」以上3つの要素は、いずれも音質に関わってくるのです。

無線データー通信のあるあるで、ビットレートが高いほどエラーが増えてしまい、ビットレートが低いほどエラーが減る。

エラーが多いということは、音切れや早送り再生などのような誤動作を起こす場合があるのです。

例えていうならば、早口でしゃべられると聞き取りミスをするのと同じ理屈です。

エラーを減らすためビットレートを低めにすると、圧縮率を高くするため音質を損ねてしまうけれど、ビットレートを高めにすると、今度はエラーが多くなるものの、高音質化できるという相反することが起こるんです。

エラー処理というものは行っているだろうが、100%エラーを抑え込むというのは難しいのです。

下にLDAC 24bit/96kHz(ビットレート990kbps)に設定した際の通信状況をご覧ください。
↓下にアニメGIFあり。iPhoneの人で見えない場合は、下の余白をタップしてください。

Windows PCからLDACでイヤホンと繋いだ時の様子で、LDACのビットレート990kbpsの場合は、混信が少ないであろう自宅にいてもこの調子なので、大勢の人がBluetoothを使っている電車の中ではもっと酷いことになる可能性が高いでしょう。

さらに実験を進めると、接続し直すとタイミングによって、プツプツと音切れしたり、早送りする状態になるなど、安定した接続ができない場合がありました。

しかし、標準モードの660kbpsまで下げれば、ビットレートがちらちらと変化せず、何度、接続し直しても安定して接続できるようになりました。

今回の場合は、よく言われる電波状況の問題ではなく、ハードウェア同士の相性によるものではないかと推測しています。

いずれにせよ、LDACを使う場合は、安定しやすい標準モード以下をお勧めします。

通常ではWindows PCからLDACで接続できませんが、「Alternative A2DP Driver」という有料アプリを使うと、LDACでも対応できるようになります。

別記事で導入方法を紹介しているので、参考にしてください。

>>Windows PCでLDACを使えるようにする方法

LDACは理論上の遅延時間が長い

LDACは優れたシステムのように思えますが、今度は別の観点から見ることにしましょう。

ゲーマーもワイヤレスイヤホンを使う向きがあるけれど、よく遅延がどうのという話がでてくるのではないでしょうか。

音声はなぜ遅れるのか。

アナログと言われるものは、そのまま伝送されるので、ほぼ遅延はないけれど、デジタルで伝送すると、例えば、スマホではそのままBluetoothの電波を使ってデジタル信号を送るものの、イヤホンでデジタルーアナログ(DA)変換を行うため、どうしても遅延が発生するのです。

遅延が起こるとどうなるか。

単に音楽を聴いている分には、遅延が起こっても気にならないのですが、ゲームをやっている時は、実際のアクションとタイミングがずれるので、かなりの違和感を生じてしまうのです。

コーデックの方式遅延時間(最大)
SBC0.25秒
AAC0.12秒
aptX0.07秒
aptX HD0.13秒
aptX LL0.04秒
aptX Adaptive0.08秒
LDAC1秒
HWA0.4秒(ビットレートにより異なる)
※文献によっては、SBC/AAC/aptXの遅延時間のうち10m秒の数値が異なるものもあることをご留意いただきたい。

SBCやAAC、aptXシリーズなどと比較すると遅延時間が長くなっています。

LDACやHWAは、高音質寄りではあるが、他のコーデックよりも遅延があるように思えてしまいます。

しかし、表にある時間は理想的なものであり、実際は端末の性能によりガラッと変わってしまいます。

値段の安価なものは、遅延時間が短いとされるaptXを使っていたとしても、値段の高価なものと比べると、回路上の問題なのか遅延が長く、ゲームプレイに支障をきたすのを確認しています。

ゲームでワイヤレスイヤホンを使う向きは、極力10,000円クラス以上のものをお勧めします。

最近の高音質コーデックについての情報をまとめます。

  • QualcommのaptX Adaptiveは、Snapdragon Sound対応となり24bit/96kHzに対応。
  • 信の際にはビットレートを下げて通信を行い、電波環境が良い場合は1000kbps(1Mbps)超のビットレートになるというaptX Losslessも登場。
  • SamsungやHiByなども高音質コーデックを開発しており、LDACの優位性が失いつつある。

Qualcomm陣営は目に見える進化を遂げており、Sony陣営も黙って見過ごす訳にはいかないでしょう。

結局どれを選べばいい?コーデックの違い早わかり

ここまでの比較表は情報量が多いので、「結局どれを選べばいいのか」を一言で整理します。

こんな人向いているコーデック
iPhoneがメインAAC(LDACは非対応のため)
Androidでとにかく高音質LDAC(対応機同士が前提)
ゲームや動画の遅延が気になるaptX Adaptiveなど低遅延寄り
音切れなく安定して聞きたいSBC、またはLDACの標準モード以下

結論。LDACは「Android+対応機で、腰を据えて高音質を楽しみたい人」向けです。送信側と受信側の両方がLDACに対応していないと効果が出ない点だけ、先に押さえておきましょう。

LDACにしても96kHzにならない場合がある

AndroidスマホでLDACにし、Amazon Musicで聞いていた所、24bit/96kHzのソース(楽曲の品質)であるにも関わらず、何回やっても24bit/48kHzにしかならないのです。

この件について、Amazonのサイトにこう書かれています。

Amazon Music HDがサポートされるヘッドフォン/スピーカーはどれですか?
少なくとも、スピーカーとヘッドフォンは、HD再生用に最大20Hzから20kHzの動的周波数をサポートする必要があります。

ハイレゾ (Hi-Res)ロゴでハイレゾ認定されているヘッドフォンは、さらに高い動的周波数(40kHz以上)をサポートするためUltra HD再生に推奨されます。

ほとんどのワイヤレスヘッドフォンは、送信中にオーディオを圧縮するため、HDおよびそれ以上の音質での再生をサポートしていません。

Qualcomm aptX/aptX HDまたはSony LDACワイヤレス標準のいずれかで高度なBluetoothを使用する一部のワイヤレスヘッドフォンおよびAndroidデバイスは、HD/Ultra HDno 再生(最大24ビット、48kHz)をサポートします。Amazon.co.jp: Amazon Music HDについてよくある質問: デジタルミュージック

これを見て、「なぁんだ、Amazon Musicが単に24bit/48kHzまでしか対応していないからじゃないか」と思うのは早合点すぎます。

Amazon Music HDはどんな音質に対応しますか?
Amazon Music HDはHDとUltra HDの2種類のロスレスオーディオの音質を提供します。

HD楽曲のビット深度は16ビット、最小サンプルレートは44.1kHz(CD音質とも呼ばれます)、平均ビットレートは850kbpsです。

Ultra HD楽曲のビット深度は24ビット、サンプルレートは44.1kHz〜192kHz、平均ビットレートは3730kbpsです。

ほとんどの標準的ストリーミングサービスは現在、最大320kbpsのビットレートの標準解像度(SD)を提供しています。

これらのオーディオファイルはロッシー圧縮を使用し、ファイルサイズを削減するために元のオーディオの詳細データが削除されます。

これに対して、Amazon Music HDは元の録音情報を保持したまま、高音質で楽曲を配信します。

HDは標準ストリーミング配信のビットレートの2倍、Ultra HDは10倍以上のビットレートで配信します。

Amazon MusicHDでは、ネットワーク、デバイスの性能、設定情報の範囲内で可能な最大限の音質で楽曲をお楽しみいただけます。Amazon.co.jp: Amazon Music HDについてよくある質問: デジタルミュージック

上記によれば、Ultra HDでは最高192kHz(楽曲による)とすることができるとあるので、24bit/48kHzまでしか対応しないというのは全く辻褄が合わないのですが、何が原因なのでしょう。

一部の機種を除き、Androidスマホには、SRC(Sampling Rate Converter)というものが付いています。

音楽以外にも通話などもオーディオも扱う関係上、それに歩調を合わせるため、SRCで態々96kHz→48kHzに下げる行為を行っており、それが最高サンプリング周波数が48kHz止まりとなってしまう原因なのです。

Amazon Musicでそれを回避するには、2つの方法があります。

【SRC回避方法】

  1. 端末をSRCが回避されているものに交換する。
  2. Bluetooth付きのDACを接続する。

まず、最初の「端末をSRCが回避されているものに交換する。」ですが、XPERIAシリーズのXPERIA10ⅢやXPERIA PRO1など一部の機種とReno5AなどOPPOスマホの一部、Google Pixel6などではSRCが回避されているのが確認されています。

また、AmazonのFireタブレットはSRCがないため、ダウンサンプリングされませんから、これらの端末を用意すれば、LDACの性能を引き出すことができようになるのです。

2番目の「Bluetooth付きのDACを接続する」方法ですが、USBホストに対応しているスマホであればこの方法も有効です。

外部機器を繋いでおけばスマホ内部のSRCがバイパスされ外部のDACへそのままつながります。

そのため高サンプリング周波数・高ビット数となるので、LDACであれば24bit/96kHzがフルに使えるというわけです。

ただし、イヤホンによっては、この方法が使えない(HUAWEI FreeBuds Pro3など)ので、注意が必要です。

LDACを試すなら:対応イヤホン・DAC・スマホの選び方

LDACの音を体感するには、送信側(スマホ)と受信側(イヤホンやDAC)の両方が対応している必要があります。

ここでは、筆者が実際に試すときに選んだ機器の選び方のポイントを紹介します。

それぞれの選び方を見ていきましょう。

LDAC対応のワイヤレスイヤホン

まず要となるのが、受信側であるLDAC対応イヤホンです。

製品ページやパッケージに「LDAC対応」の記載があるかを必ず確認しましょう。

代表例としては、ソニーのWF-1000XM5、Technics EAH-AZ80、Anker Soundcore Liberty 4などが挙げられます。

とはいえ「LDAC対応」とだけ言われても選びようがないので、予算別に現行モデルを整理しておきます。

LDAC対応は今や3万円台の高級機だけの特権ではなく、1万円を切るモデルにも降りてきています。

価格帯モデルひとこと
1万円以下EarFun Air Pro 4(9,990円)LDACに加えaptX Lossless・LC3も対応。ハイレゾワイヤレス認証あり。まず体感してみたい人の入口
1万円以下SOUNDPEATS Air5 ProLDAC/aptX Lossless対応。ただしLDACは初期状態では無効で、アプリでの有効化が要る
1〜3万円Anker Soundcore Liberty 4 Pro(19,990円)SBC/AAC/LDAC。こちらもアプリでの有効化が必須、かつAndroid 8.0以降が条件
1〜3万円Technics EAH-AZ60M2(想定 約27,700円)3台マルチポイント。複数端末を行き来する人向け
3万円以上Sony WF-1000XM6(実売 約36,500円〜)2026年2月発売の現行機。公式スペックに「LDAC 96kHzサンプリング 990kbps」と明記されている
3万円以上Sony WF-1000XM5(希望小売 35,750円)XM6の登場で型落ち=実売が下がったコスパ枠。LDAC 96kHz/990kbps対応は同じ
3万円以上Technics EAH-AZ100(39,600円)/EAH-AZ80(想定 約36,600円)AZ80はLDAC+ノイキャン時の再生時間が約4.5時間。LDACは電池を食う

価格は2026年7月時点の目安です(オープン価格のモデルは市場想定価格)。仕様の出典は各メーカー公式ページ、ソニー WF-1000XM6 仕様Technics EAH-AZ80 仕様Anker Soundcore Liberty 4 ProEarFun Air Pro 4 をあたってください。

迷ったらここを見る。「LDACが本当に効くのか自分の耳で確かめたい」だけなら、1万円以下のEarFun Air Pro 4あたりで十分に判断できます。逆に96kHz/990kbpsをスペック上きっちり保証しているのはWF-1000XM6・XM5で、公式が数値を明記しているぶん話が早いです。

そしてここが、意外と知られていない落とし穴。

LDAC対応イヤホンを買っても、初期状態のままではLDACで鳴っていないことがほとんどです。

買った直後にやること
  • ソニー機…初期設定が「接続優先」になっているため、そのままではLDACで鳴りません。Sony | Sound Connectアプリで「音質優先」へ変更します。切り替え後にBluetoothのオフ/オン、またはヘッドホンの再起動が要る場合も。
  • Anker Soundcore Liberty 4 Pro/SOUNDPEATS Air5 Pro…LDACはそもそも初期状態で無効。専用アプリから有効化して初めて選べるようになります。
  • Android側…開発者オプションの「Bluetoothオーディオコーデック」でLDACが選ばれているかを確認します。
  • iPhone…そもそもLDACは使えません。ここは設定でどうにかなる話ではないので、iPhoneユーザーはLDACを判断材料から外してOKです。

ソニーの手順は「LDACコーデックで再生できない」(ソニーサポート)に公式の記載があります。

アプリ上でLDACのロゴが出るかどうかが確認の目印です。

「LDAC対応って書いてあったのに音が変わらない」の正体、たいていコレです。設定を見ないまま「LDACは大したことない」と結論を出してしまうのが一番もったいない!

あと、もうひとつ正確に押さえておきたいのが990kbpsは固定ではないということ。

LDACの「音質優先(Best effort)」は、電波状況に応じて990/660/330kbpsを自動で切り替えて接続を守る設計です(ソニー LDAC公式)。

音質優先にしたからといって、常に990kbpsで鳴っているわけではありません。

\ まずは対応イヤホンで違いを体感 /

SRC回避に使えるBluetooth対応DAC

前章で触れたSRC(サンプリングレートの変換)でダウンサンプリングされる問題は、Bluetooth対応DACで回避できます。

スマホ内部のSRCを飛ばして外部DACへ直接送るため、96kHz/24bitをフルに使えるようになります。

ポータブルではFiiOのBTRシリーズやQudelix-5Kなど、LDAC対応をうたうモデルが選びやすいです。

注意。イヤホンによっては外部DAC経由が使えない場合(HUAWEI FreeBuds Pro3など)があるため、手持ち機器との組み合わせを確認しておきましょう。

具体的に候補になるのは、この3つです。

モデル価格目安特徴
FiiO BTR13約11,000円入門の本命。公式にLDACは96kHzまでのハイレゾ伝送に対応と明記。3.5mm+4.4mmバランス搭載でこの価格
FiiO BTR17約35,000円台現行フラッグシップでBTR7の後継。LDAC対応、デスクトップモードでバランス650mWと据え置き級
Qudelix-5K約$109設定の細かさで定評。LDAC/aptX Adaptive対応、3.5mm+2.5mmバランス

仕様はFiiO BTR13公式BTR17公式Qudelix-5K公式より。

BTR7はBTR17の登場で旧世代になったので、これから買うならBTR13かBTR17のどちらかです。

間違えやすいので注意。同じQudelixでも「T71」はUSB DAC専用でBluetoothを積んでおらず、LDACは使えません公式)。名前が並んでいるので、5Kのつもりで買うと目的を果たせません。

\ スマホ側のSRCを飛ばすならこの一手 /

96kHzを引き出せるスマホ

送信側のスマホがSRCを回避できる機種だと、DACなしでもLDACの性能を引き出せます。

ソニーのXperiaシリーズや一部のOPPO、Google Pixelなどは、SRC回避が確認されていることで知られます。

Androidでは開発者オプションからLDACの音質モードを手動で選べるので、あわせて設定しておくと確実です。

LDACの音質モードを手動で選べるようになっていても、実は使えないというケースも存在するので気を付けて!

FireタブレットもLDAC対応になっていますので、候補に挙げておくとよいでしょう。

\ 次にFireタブレットなどの対応端末で違いを体感 /

LDACは本当にいい音なのか?

さて、記事の本題である「LDACは本当にいい音で聞けるのか」についてです。

そもそも人間の耳ではよくて20kHzまで聞こえるというが、実際はどうなのでしょう。

耳年齢診断ができるサイトがあるので、試してください。

この耳年齢診断、18000Hzは録音ミスと思われる別の音が入っている(別の音が混ざっている?)のでご注意。

ちなみに、私は15kHzまで聞こえ、16kHzになると、音と言うよりも、不快な振動のように感じています。

人によっては、15kHz前後の音が全く聞こえなかったり、さらに高い音まで認識できる場合もあったりします。

感のよい人ならお察しいただけたかと思いますが、折角の高音質システムであるLDACなどは、個人差によって感じ方が全く異なるということなのです。

サンプリング周波数が48kHzであれば最高周波数は24kHzまで、96kHzであれば最高周波数は48kHzまでの音を伝送することが可能なのだけれど、そもそも、人間の耳では24kHzですら聞き取ることができません。

そのため、人によってはSBCとLDACが少し違うと感じるケースもあれば、大して変わらないケースもありえます。

残念ではありますが、いくら理屈上高音質であっても、万人が高音質だと感じることができないのは間違いありません。

しかし、ビットレートやビット数が改善されれば音のニュアンスの違いは感じ取ることはできるでしょう。

ただし、かなり注意深くして聞かないと分からない位、微妙な違いなので、気のせいかと思ってしまう場合も。

ハードウェアがよくても、人間の耳がダメであればどうにもなりません。

誰しもがよい音で聞くのは、メーカーの努力だけでは難しいというのは知っておいても損はないでしょう。

LDACを実際に使った人たちの声・実測レポート

ここまでは私の耳と経験で書いてきましたが、それだけだと「この人の耳が悪いだけでは?」で終わってしまいます。そこで、他の人が実際にどう感じ、どう測ったのかを集めてみました。結論から言うと、体感の差はかなり割れています

「違いが分からなかった」という報告

Technics EAH-AZ80とGalaxy A53 5Gの組み合わせで、moraやQobuzのハイレゾ音源(FLAC)とM4Aを4通りに組み替えて聞き比べた検証があります。音質優先・990kbps設定にしたうえで違いが全く分からなかったという結論で、しかも「イヤホンの出来が悪いという意味ではない」と補足されています。

出典:Bluetoothオーディオのコーデック比較(LDACとAAC)

3万円台のイヤホンと990kbps設定という、条件としては上等な組み合わせでこれです。私の「注意深く聞かないと分からない」という感覚は、どうやら私の耳だけの話ではなさそうでした。

「途切れる」という報告と、その後

AV WatchのWF-1000XM5ミニレビューでは、当初人が多い場所に行くと頻繁に音が途切れたと報告されています。しかも音質優先のLDACか接続優先のAACかに関係なく、とのこと。LDACは音質は良くなるが接続の安定性はそこまで高くないコーデック、という評価も添えられています。

ただしこの記事、その後のアップデートで改善し、東京駅でもLDACで安定したと締めくくられています。「LDAC=途切れる」と固定で考えるのではなく、ファームウェアの更新状況で変わる、と捉えるのが正確なようです。

出典:AV Watch ミニレビュー

「LDACで繋いでも48kHzだった」という報告

本文の「LDACにしても96kHzにならない場合がある」を裏付ける実例です。価格.comのTechnics EAH-AZ60の掲示板では、LDAC接続でもシステム側でSRCがかかり48kHzになる、Amazon Musicの「Ultra HD」(24bit/96kHz)でもBluetooth経由では24bit/48kHz止まりだった、という報告が出ています。一方でPowerampなどSRC回避に対応したプレーヤーやオフライン再生で96kHzに到達した例も挙がっています。

出典:価格.com EAH-AZ60 クチコミ掲示板

また、FiiO BTR17の掲示板では、FiiO Control側でLDACのチェックを外すとaptXではなくSBCにフォールバックする、Galaxyの一部個体ではaptXは通るのにLDACが選べない、設定変更後にLDAC接続できた、といった実務的な報告が並んでいます。機器側の設定とアプリ側の設定の両方を合わせないといけないということですね。

出典:価格.com FiiO BTR17 クチコミ掲示板

波形で測った結果は「3モードとも大差なし」

もっとも興味深いのが、AV Watch「Digital Audio Laboratory」の藤本健氏による波形検証です。990/660/330kbpsの3モードとも、音楽ソースでは大きな破綻が見られなかったと報告されています。

さらに面白いのが、3モードとも96kHzにアップサンプリングして伝送されており、330kbpsでも高域まで出ていたという点。つまり劣化の主因はLDACの伝送そのものより、リサンプリングの過程にあるということになります。

出典:AV Watch Digital Audio Laboratory 第784回

ここまでを整理すると
  • 伝送は96kHzで行われている(実測)。だが送り出し側の中身が48kHzに落ちていることがある=これが「LDACなのに96kHzにならない」の正体
  • LDAC自体の音質差は、3万円台の機材+990kbpsでも分からない人には分からないレベル
  • 接続の不安定さはファームウェア更新で改善した事例がある=古い評判のままで判断しない
  • 差を出したいなら、機材のグレードよりSRCを回避する(外部DAC or 対応プレーヤー)ほうが効く

なお、コーデック全般の中立な解説としてはオーディオテクニカのBluetoothコーデック解説が読みやすいので、あわせてどうぞ。

\ 結局は自分の耳で確かめるのが早い /

LDACに関するよくある質問

最後に、LDACで多い疑問をQ&A形式でまとめておきます。

iPhoneでLDACは使える?

iPhoneはLDACに対応しておらず、標準はAACです。LDACを使いたい場合は、対応するAndroid端末とLDAC対応イヤホンの組み合わせが必要になります。

990kbpsにするにはどうすればいい?

Androidの開発者オプションでLDACを「音質優先」に設定します。ただし電波が不安定だと音切れしやすいため、多くの場面では標準モード(660kbps)が扱いやすいです。

SBCとの違いは体感できる?

個人差が大きいのが正直なところです。高音域が聞き取りやすい人や、静かな環境で対応機同士を使う場合は、ニュアンスの違いを感じ取れることがあります。

LDAC対応かどうかの見分け方は?

製品仕様の「対応コーデック」欄にLDACの記載があるかで判断できます。イヤホン・スマホ・DACのいずれか一つでも非対応だと、LDACでは接続されません。

LDAC対応イヤホンを買ったのに音が変わりません

まず、本当にLDACで接続できているかを疑ってください。ソニー機は初期設定が「接続優先」でLDACになっていませんし、Anker Soundcore Liberty 4 ProやSOUNDPEATS Air5 Proは専用アプリで有効化するまでLDAC自体が選べません。
そのうえで変わらないのなら、それが答えです。3万円台の機材と990kbps設定でも違いが分からなかったという検証報告もあり、感じ方には大きな個人差があります。

音質優先にすれば常に990kbpsで鳴っていますか?

いいえ。LDACの音質優先(Best effort)は、電波状況に応じて990/660/330kbpsを自動で切り替えて接続を維持する設計です。「音質優先=常に990kbps固定」ではありません。

Qudelix-5KとT71はどちらがLDACに向いていますか?

T71はUSB DAC専用でBluetoothを搭載しておらず、LDACは使えません。LDAC目的ならQudelix-5Kのほうです。名前が似ているので買い間違いに注意してください。

参考文献

この記事を書くにあたり、下記のサイトを参考にさせてもらっているので、紹介したい。

【徹底解説】ワイヤレス博士になろう!~中級編~ – イヤホン・ヘッドホン専門店eイヤホンのブログ (e-earphone.blog)

【AAC, aptX HD, aptX LL, LDAC】Bluetoothコーデック解説! | GoodWriter (good-writer.xyz)

96kHz/24bitで低遅延「Snapdragon Sound」。Amazon Musicと協業 – AV Watch (impress.co.jp)

Qualcomm Snapdragon Soundとは? 96kHz/24bit対応のaptX Adaptiveを軸にした新しいオーディオ体験 – 週刊アスキー (ascii.jp)

Qualcommが高音質コーデック「aptX Lossless」を発表、CD音質の音楽を無劣化でワイヤレス再生可能に – GIGAZINE

聴覚 – Wikipedia

Bluetoothのコーデックとは?音質や遅延速度が変わるの?~SBC・AAC・Apt-X・LDACの違いを解説~ (ku-brotherblog.com)

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