市民ラジオを測定方法に従って測ってみる
実際にRJ-410を分解せずに測ったのが、次に示す通りだ。断っておきたいのは、製品にバラツキがあるため、必ずしも同じになるとは限らないということだ。

アンテナを縮めて、疑似負荷を繋ぎ、アース側にグランドプレーンとなるように3mm厚程度の金属製ケースの蓋の上にトランシーバーを置いた。
RJ-410の測定結果はいかに…
では、RJ-410を実測してみた結果だ。まずは、簡単に測れる周波数。
まずまずのスタートだ。次は、占有周波数帯幅だ。RJ-410には、マイクゲイン切り替えがあるので、念のため両方測ってみる。



上はマイクゲイン「遠」にした状態。


今度はマイクゲイン「近」にした状態。
マイクゲイン「近」よりは、マイクゲイン「遠」にした時、よくなる傾向。ゲインを変えると、マイクアンプ回路の歪み方が変わるせいなのかも。
実験では、「遠」の時は約-53dBV、「近」の時は約-40dBVの入力で60%変調となるので、13dB位のゲイン差があることが分かった。
60%変調の入力レベル+10dBupの状態で、変調度を測定した所、115%だった(「遠」「近」共)。以上より、電波が広がらないようキッチリと設計されているのではないかと推測される。

本当は他にも測定項目があるのだけれど、疑似負荷の方法では、空中線電力に疑義が生じ、本来500mW前後出ている物と思われるものが、160mWという結果になってしまった。
これでは、技適はNGではないか!?
そのため、空中線電力から測定値を割り出す副次的に発射する電波の強度やスプリアスの測定値に信憑性がなくなってしまった。測定条件を示す記述を参考に工夫してみたが、全く改善されない。
当然ロスはあるのだろうけれど、どうも腑に落ちない結果なのだ。
余程の設計不良でない限りは、実は旧規定で技適を取った物でも全く問題はない事例が多く、旧規定で技適を取った市民ラジオでも全く問題はないよね…というのがこちらのシナリオだった。
しかし、今回は、疑似負荷を使った測定環境を整えることができず、空中線電力と副次的に発射する電波の強度、スプリアスに関しては、正確に測ることができなかったのが残念な所。
