
「一陸技の4科目のなかで、無線工学Bが一番難しいと聞くけれど、何がそんなに大変なんだろう…」
そう感じている方に、正直にお伝えします。
私も4科目のうち、最後まで苦しみ、1回だけ落としたのが無線工学Bでした。
ただ、その1回のつまずきがあったからこそ、「どこが難所で、何から手をつければいいのか」がはっきり見えました。



この記事では、無線工学Bを落ちてから受かった私が、難関試験攻略の地図を書きます。
個別の問題を解く前に、まず全体の作戦を立てたい方に向けた内容です。
※一陸技全体の勉強法・科目合格の使い方は、一陸技に独学合格する勉強法(別記事)にまとめています。あわせてどうぞ。




記事を書いた人
【きのぴぃ】
- CB免許廃止前にサイタマAD720/AE215のコールサインを取得。〇〇年にわたり細々と無線活動中。
- 電気工事士・第一級陸上無線技術士などの資格を持ち、電気・無線が得意です。
- 電波新聞社 月刊「ラジオの製作」元ライター フリーライセンス無線を主軸にガジェット記事を執筆
- 電波新聞社 アマチュア無線受験マニュアル企画記事担当
- マガジンランド 月刊「Let’s HAMing」元ライター
無線工学Bはどんな科目?(合格点は6割)


無線工学Bは、一陸技の4科目のうちの1つです。
試験は25問・2時間30分で、満点125点に対して合格点は75点(6割)です(日本無線協会の公表基準より)。
ほかの科目と同じく、満点ではなく6割を取れば合格できます。
出題の中心は「アンテナ・給電線・電波伝搬」
無線工学Bは、ざっくり言うと「電波を飛ばす・受ける」まわりの科目です。
- アンテナ…各種アンテナの特性や利得など
- 給電線…アンテナへ電力を送る線路(伝送線路)の性質
- 電波伝搬…電波が空間をどう伝わっていくか
私の体感では、この3つのなかでも電波伝搬が一番イメージしづらい分野でした。
アンテナや給電線は「モノ」として形があるぶんまだ想像できますが、電波が大気や地面の影響を受けながらどう伝わるかは、頭の中で映像化できないと問題文がただの文字列に見えてしまいます。
逆に言えば、ここを絵として思い浮かべられるようになると一気にラクになります。
無線工学AとBの違い
よく「AとBはどう違うの?」と聞かれます。
私の理解では、大づかみに次のイメージです。
- 無線工学A…無線機器や通信方式、測定など「装置・システム寄り」
- 無線工学B…アンテナ・給電線・電波伝搬など「電波を飛ばす側」



Bは「目に見えない電波そのもの」を扱う科目。ここが難しさの入り口なんだ。
なぜ無線工学Bが一番難しいのか(私がBだけ落とした理由)


私は1月の試験で、無線工学Bだけが不合格でした。
ほかの3科目は合格していたので、なおさら「なぜBだけ…」と考えることになりました。
その理由は、大きく2つあったと思っています。
アンテナの特性や電波の伝わり方は、目で見て確かめられません。
「本当にそうなっているのか?」と、どこか腑に落ちないまま暗記に走ると、少しひねられた問題で崩れます。
見えない現象を頭の中でイメージできるか——ここが、他科目との一番の違いだと感じました。
じつはアンテナ・電波伝搬は、1アマ(第一級アマチュア無線技士)を勉強したときにも私が苦しんだ領域でした。
その分野が、プロ資格である一陸技ではさらに深く、計算も含めて問われます。
もともと苦手意識のある人にとっては、Bが最後の関門になりやすいのだと思います。


落ちてからやり直した無線工学Bの勉強法


1回落としたあと、私はBだけをやり直しました。
そのときに「これを変えたら伸びた」と感じたポイントをまとめます。
最初の受験では、公式や答えを丸暗記で乗り切ろうとして失敗しました。
やり直したときは、「なぜその式になるのか」を1つずつ納得してから進むように変えたのです。



遠回りに見えて、これが結局は一番の近道でした。
不思議なもので、理屈が見えてくると、Bは「奥が深くて面白い科目」に変わっていきました。
理屈を押さえたら、あとは過去問です。
アンテナ・給電線・電波伝搬という頻出分野を軸に、過去問を繰り返して出題パターンと計算の手順を体に入れます。
同じテーマが形を変えて何度も出るので、繰り返すほど手が動くようになります。



考え方の丸暗記はOKだけど、答え丸暗記はダメだよ。計算問題の場合は大体数値が変わったりするんだ。
一陸技には科目合格制度があり、合格した科目は一定期間(翌月から3年以内)免除されます。
私はこれを使い、次の試験では無線工学Bだけに全力を注ぎました。
他の3科目を受け直さなくてよいぶん、最難関のBに勉強時間を集中でき、これが完全合格の決め手になりました。



苦手な1科目だけに集中できるのが科目合格の強み。Bみたいな難所ほど効いてくるよ。
やり直しのときは、形のある「給電線・アンテナ」から入り、イメージしにくい「電波伝搬」を後に回しました。
給電線やアンテナの基本がある程度わかってくると、電波伝搬の話も「その電波を実際に飛ばすとどうなるか」という文脈でつながり、理解しやすくなったからです。
苦手な分野をいきなり正面から攻めるより、足場が作れる分野から固めるほうが、Bは挫折しにくいと感じました。
無線工学Bは25問を2時間30分で解きます。
時間はある程度ありますが、Bは計算問題で1問に時間を取られやすい科目です。
私は、まず確実に解ける問題を先に押さえ、悩む計算問題を後回しにすると決めていました。



これはどんな試験でもそうですよね
合格ラインは6割なので、難問を全部解こうとせず、取れる問題を確実に取る意識のほうが、結果的に合格に近づきます。
1問にこだわりすぎて時間切れ、というのが一番もったいないパターンです。
科目合格制度の具体的な使い方は、一陸技の勉強法(別記事)で詳しく解説しています。


使った教材(参考書・過去問解説集)
無線工学Bは、市販の教材で独学できます。
私の進め方はシンプルでした。
- 参考書…アンテナ・給電線・電波伝搬を分野ごとに理屈から解説してくれるもの。分からない所を「調べる」道具として使う.



丁度、1アマの問題集が参考になる箇所があったので、一部それを使ってました。補えないものは、参考書に頼りました。
- 過去問解説集…解答だけでなく「なぜその答えになるか」の解説が付いたもの。これを繰り返す



過去問を販売している出版社は1社しかなく、それを入手することになります。
Bは計算が多い科目なので、答えの丸暗記より解法の手順を理解しながら学ぶと、応用問題に強くなります。
まずは過去問解説集を1冊決めて、それを軸に回すのがおすすめです。
\ 難関である無線工学Bに備えよう! /
無線工学Bのよくある質問
- 合格点は何点?
-
満点125点に対して合格点は75点(6割)です。ほかの科目と同じく、6割を超えれば合格になります。
- 無線工学AとB、どちらが難しい?
-
感じ方には個人差がありますが、私にとってはBのほうが手強い科目でした。目に見えないアンテナ・電波伝搬をイメージする必要があり、そこでつまずいたためです。逆に、装置や通信方式が得意な人はAのほうがラクに感じるかもしれません。
- 勉強時間はどれくらい必要?
-
必要な時間は、アンテナ・電波伝搬にどれだけ馴染みがあるかで大きく変わるので一概には言えません。ただ、Bは4科目のなかでも理解に時間がかかる科目なので、ほかの科目より厚めに時間を確保しておくのが安全です。私も、科目合格でBだけに絞れたからこそ、じっくり時間をかけて向き合えました。短期で詰め込むより、少し長めの計画を立てておくと気持ちにも余裕が生まれます。
- 数学は必要?
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Bは計算問題が多いので、ある程度の数式に慣れておくと有利です。とはいえ、出てくる計算は過去問でパターンが決まっているものが多く、解法の手順を覚えてしまえば十分に対応できます。数学が苦手でも、過去問の反復でカバーできる範囲です。
まとめ:Bは最難関、でも理解できれば面白い
無線工学Bは、私が1回落としたほどの最難関科目です。
それでも、攻略の順番ははっきりしています。
- アンテナ・給電線・電波伝搬という頻出3分野を軸にする
- 丸暗記でなく「なぜそうなるか」を理解してから過去問を反復する
- 科目合格を使ってBだけに集中する
見えない現象を1つずつ理解していくと、Bは「奥が深くて面白い科目」に変わります。



最難関だからこそ、ここを越えれば合格はぐっと近づきます。







