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市民無線の技適測定方法についてのまとめ(プロローグ)

きのぴぃ

この記事を書いた人(きのぴぃ)
部品メーカー広告宣伝記事
電気系の雑誌や無線雑誌の元ライターをやってました。
以前よりガジェット集めをやっており、本業(電子機器メーカー勤務)の知見を活かしたレビューが得意です。

技術基準適合証明や工事設計認証の申請に携わるおいらが市民ラジオの測定方法に関して解説している。

目次

個人で技適を取る人が増えていたみたい

技術基準適合証明が登場してしばらくは、格安だった市民無線の技術基準適合証明試験は、今ではかなり高価になっており、逆にアマチュア無線機の申請の方が安かったりする状況。

それでも、有志の方々が個人的に受けたり、希望者を募ってワリカンで受けたりと、技適を取る人が増えていたみたい。それもそのはず。ご承知の通り、平成34年には旧規格で技適を取った物は使えなくなるため、(問題のない物は)そのまま再度検査を受け直すか、対策を施したうえで再度検査を受け直すか、あるいは新規格で技適を取った物に買い替えるかの3択を迫られていた。

バンド防衛のためにと、CBer有志が技適を取ったり、新たなメーカーが登場し、市民ラジオを生産するなど一時は危ぶまれた27MHzを巡る状況は好転。そして、このままスムーズに新規格に移行されるものと思われていた。しかし、コロナ禍での経済状況を垣間見て、当分の間延長となった訳で、このような展開は誰が予想していただろうか…。

経済状況云々とは言え、前々から分かっていたことなので、散々煽っておいてこれじゃね…と肩透かしを食らった感が強い。とは言え、これからもCBer有志が技適を取るのにチャレンジする人がいるかも知れないので、資料として検査方法などを書き記したいと思う。

型式検定時代の市民ラジオの一部はそのままではアウト!

市民ラジオのルーツは、デジ簡同様、免許が必要な簡易無線だったのだ。今はなきラジオの製作(ラ製)という雑誌で市民無線を盛り立てたので一大ブームとなったのは言うまでもない。

その頃の簡易無線というのは、今の技適に近い型式(かたしき)検定という物があり、それをパスすることで、無線機を使うために必要な無線従事者免許がなくても、簡単に免許(状)が得られるようになっていた。

しかし、その頃の市民ラジオの一部は、受信回路がシングルスーパーヘテロダインだったりして、感度を上げるためか発振器の出力が大きめになっている。型式検定の測り方では、パスできたものの、技適の測定方法だと、一発アウトとなるのが結構あるようだ。
残念ながら、そういった物は何らかの対策を施さないと、技適を取ることができず、使うことができない。

【そのままでも、変調解析やOBWが測れ、安いTGオプションを付ければRFアンプの調整も可能!】

今の所は、経過措置のおかげで昭和58年1月1日以降の有効期限のある免許(状)を持っていれば、そのまま型式検定の物でも法規上は使っていいことにはなっている。

電波法附則(昭和五七年六月一日法律第五九号)抄
(経過措置)
2 第四条第一項の改正規定の施行の際現に免許を受けている無線局のうち、改正後の電波法(以下「新法」という。)第四条第一項第二号の郵政省令で定める無線局に該当するものの無線設備は、第四条第一項の改正規定の施行の日に、新法第三十八条の二第一項の規定による技術基準適合証明を受けたものとみなす。
3 前項の無線局の免許は、第四条第一項の改正規定の施行の日に、その効力を失う。
電波法 | e-Gov法令検索

上記第四条第一項第二号というのは、市民ラジオのこと。この頃、CBerの間では免許制度がなくなると大騒ぎしていたっけ。
型式検定時代の市民ラジオは、免許を持っていたら、そのまま使用できるものの、現行法においてはあまり好ましいものではないと言える。

型式検定時代の市民ラジオでも技適に合格できたというサンプルとして、テレコムエンジニアリングセンター(TELEC)が無線設備検査検定協会(MKK)と言っていた時代に東芝がかつて発売していたトランシーバーであるZS-7260Aというハンディ機で技適を取った証明書を上げておこう。

取り合えず、今日はプロローグという訳で。

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